欧州委員会、共産独裁体制譴責の決議案を可決

【大紀元日本1月31日】欧州委員会)は1月25日、議員大会を開き、共産党の発祥地・欧州で初めて公に共産専制による犯罪を譴責、「国際社会が共産党独裁の罪状を譴責する必要性」の報告書と決議案を可決した。当決議案はヨーロッパがナチズムによる犯罪を公に非難してから、独裁専制に対する50年ぶりの譴責で、東ヨーロッパの旧共産国家に対し、歴史教科書の訂正と共産党独裁下で犠牲になった民衆のための纪念碑の建立を要求している。

報告書は、共産党独裁体制が犯した罪を挙げ、共産主義体制が生来、大規模の人権侵害の烙印が押されおり、その発展過程で殺戮と謀殺の暴力的な特徴を身につけ、本質的にナチズムと変わりがないとし、その暴力の規則は時代と国家に関わらずすべての共産党独裁体制に適用する。しかし、国際社会は共産党独裁体制の犯罪に対する反省と認識は不十分であり、未だに一部の国家で合法的に存在している。また、全世界の共産党独裁体制に直接被害を受けた1億の総人口のうち、そのうち中国が6千5百万人と半数を占める。

会議終了後、報告書の起草者、スウェーデンの国会議員ゴラン・リンドブラート氏(Goran Lindblad)が、大紀元時報の取材を受け、決議案が通過された喜びの気持ちを語り、「これは中国国民への正月プレゼントである」と述べた。

リンドブラート氏は、全欧州国家(ベラルーシを除き)を代表する欧州委員会でこの決議案を可決したことは、共産党は欧州で生まれたため重要的な意義があり、新しい歴史と国際社会に共産党独裁政権を譴責する新しい起点が確立されたと見解を示した。

以下はリンドブラート氏の談話内容。

欧州委員会の目的の1つは人権を守ることである。共産党独裁国家の歴史と現状を分析してみると、暴力や恐怖、大虐殺、拷問、強制労働収容所、追放、飢餓、信仰と言論、報道の自由の剥奪など尽く実行され、組織の重要不可欠な部分と化している。言わば共産党体制は発生当初から暴力と人権への大規模侵害が伴い、共産理論とその党派、政権は邪悪さを極めている。

16年前に共産政権は欧州で次々と崩壊したが、共産党の残存勢力は依然として存在し、一部の人特に若い世代に影響を与え、彼らを騙し続けている。今の若者の多くは共産党の本質を了解していないため、面白さでソビエト政権のマークを身に付けたりしている。共産党の始祖レーニンはこのような人たちを「役に立つ馬鹿者」と定義していた。この決議案は、我々の子孫に共産党の罪状を理解させ、二度と共産党統治の苦痛を体験させないためであり、同時に共産党政権への譴責を国際範囲までに拡大させる。

共産党はナチスと同類で、両方ともに人類に大罪を犯し、邪悪さにおいては甲乙つけがたい。中共政権は1億人近くの国民の命を奪い、毛沢東は最大の殺人者であるにもかかわらず、いまだに彼は記念シンボルとして紙幣に刻印されている。もしヒトラーの肖像を紙幣に印刷したら、全世界から怒りの声が湧き上がるはず、共産党の罪状はナチスの犯罪と同様に国際社会に譴責されるべきである。

今回の決議案の調査研究員として、私は大量の歴史資料を収集し、多くの旧共産党国家を訪問した。2005年12月14日、関連報告書が欧州委員会の政治事務委員会で通過されたため、同決議の草案を欧州委員会に提出した。

しかし、評決の2週間前から、多くの恐喝手紙が届けられ、共産党と社会党の左翼の人々から抗議書も送りつけられた。旧ソ連とギリシャの共産党はスウェーデン大使館の前で抗議活動を行った。共産党関係者はこのような圧力行為で、私に反共産党の立場を放棄するよう迫った。

私はこのような行為に動揺されることはまったくない。共産党は極度に緊張するのは、自分たちの罪状が国際社会に譴責されることを恐れているからだ。恐喝と制圧は共産党の対外的な一貫した手法である。

一方、多くの欧州国家の政治要人や人権運動のリーダー、元政治犯、人権組織からも支持する声援がたくさん寄せられた。ドイツの国際人権組織とスウェーデンの国連協会は、一週間の間に多くの民衆から支持署名を集めた。

私は共産党統治下にある人々が受けた迫害、特に中国国民に対し強い関心を持っている。このような弁論は中国では絶対に実現できないのだ、中共政権は当局の意にそぐわない信仰や主張を持つ民衆、例えば、法輪功や、キリストの家庭教会などを残酷に圧制し続けている事実は把握している。

いま中国で進行している脱共産党の情勢は軽視できないものであり、「九評共産党」は非常に価値のある資料だ。多くの兆候から、中共政権は崩壊寸前だと示している。法輪功学習者の平和的抗争や、700万人を超える国民の脱党、官僚の亡命などを通じ、共産党が中国で行ってきた犯罪はより多くの人に周知され、中共の滅亡はどんどん近づいてくる。今回可決した決議案は中国国民への最高の正月プレゼントだ。

(記者・石芳、王弘)

※欧州委員会:欧州連合(EU)は、加盟国25カ国からなり、民主的に選ばれた欧州議会、加盟国を代表する閣僚によって構成される欧州連合理事会、元首・政府首脳から成る欧州理事会、基本条約の守護者であり、共同体法を提案し実施する権限をもつ欧州委員会、共同体法が遵守されるように図る欧州裁判所、そして、EUの財政管理を監査する会計監査院の機関で構成される。

欧州委員会の委員は任務を遂行するにあたり、出身国政府の意向にいささかも左右されてはならず、EUの利益のためだけに行動することを義務づけられている。欧州委員会を譴責する権限をもつのは欧州議会のみ。欧州委員会の委員はそれぞれ1つ以上の政策領域に関して責任分野をもっているが、決定に関しては連帯責任を負う。

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