中国各地で、キリスト教の家庭教会が弾圧される
【大紀元日本1月19日】キリスト教の「対華援助協会」(本部・米国)の情報によると、中共政権は全国のキリスト家庭教会に対する弾圧を一層強め、各地で相次ぎ警察による信者に対する暴力侵害が発生し、北京の情勢はもっとも厳しく、北西部の新疆ウイグル自治区でも信者逮捕事件があったという。
北京公安当局の警察は1月15日午後4時30分ごろ、朝陽区の方舟・キリスト家庭教会に乱入し、故意に信者を脅迫した。警察は礼拝活動が中共政権の「宗教事務条例」を違反したと称し、集会が関係政府部門の許可を得てないため、違法集会であると決め付けた。私服警察が1人の信者を殴打し、持っていたビデオカメラを強奪しようとした。同教会の創始者の1人、インターネット上で時勢を鋭く批判するなどで名が知られる作家・余傑によると、1月8日も同様に警察から礼拝活動を妨害されたという。
この教会は2年前に立ち上がり、北京市朝陽区望京地区のマンションを借り、信教活動を行っている。信者は約20人~30人で、国内外の有名な作家や、芸術家、人権弁護士などが多く含まれている。気功集団・法輪功に対する弾圧の違法性を訴えている有名な人権弁護士・高智晟氏もこの教会のキリスト信者。
一方、北京市海淀区の複数のキリスト家庭教会も、中国公安当局から脅迫を受けていた。去年クリスマスの後、多数の家庭教会を統轄する家庭教会リーダー・金天明牧師は、警察から徹夜の強制訊問を受け、そのほか十数人の同教会関係者も「思想工作」の名目で公安局に呼び出された。情報筋によると、同教会は中共政権が制御する「愛国会」に加入することを拒否し、中共に対し合法登録を要求したが、却下されたという。
「聖書」を印刷したとの理由で3年間の懲役を言い渡された家庭教会の牧師・蔡卓華氏は、親族と面会する権利が剥奪されている。同氏の母親は1月9日刑務所へ面会に行ったが、刑務長官から、家族との面会を禁止すると通達され、同氏の代理弁護士が全員「反革命分子」であると通告された。
去年の12月25日、中国北西部の新疆ウイグル自治区でクリスマスの祝いパーティを開催したことで、5人の家庭教会のリーダーが逮捕された。今年1月8日に全員が釈放されたが、公安当局は違法に押収した信者の個人財産の返却を拒否している、その中にワゴン車や、ビューイック自動車、ビデオカメラ、エレクトーンなどが含まれている。
中共政権によるキリスト家庭教会の正常な信教活動への妨害、信者の人権を踏み躙る行為に対し、「対華援助協会」は厳しく非難するとともに、2008年の北京オリンピックを前に、弾圧行為がさらにエスカレートになることを憂慮している。中国全土のキリスト家庭教会の信者に、信仰の独立と信仰の自由を堅持するよう呼びかけ、国際社会に対し、中国における宗教迫害の現状に引き続き注目するよう要請している。さらに中共政権に対して、憲法と国際人権法に定められた信仰の自由を守るよう嘆願した。