米国専門家:鳥インフルエンザ、人間への感染を予測

【大紀元日本12月18日】鳥インフルエンザが世界各地で頻発する中、人々に関連知識と対処方法を教え、爆発的流行の危機に備えるために、米国ダラスの「大紀元時報」と台湾同郷人会が12月10日、「鳥インフルエンザと人間への感染の大流行および対応方法」の講習会を開催し、ヒューストンのベイラー医科大学(Baylor Of College Medicine)生物免疫学の封莉莉(フォン・リーリー)助教授が講演を行った。封教授は主に①世界的なインフルエンザ大流行が発生する必然性②予測される状況の深刻さ③高危険性地域と対処方法などについて説明を行った。以下は、封教授のスピーチ内容。

1918年の「スペイン風邪」や1957年の「アジア風邪」、1968年の「香港風邪」は、人類のインフルエンザウイルスが鳥インフルエンザウイルスから変異した新しい遺伝子と結合したため発生した。1997年に香港で鳥インフルエンザが発生して以来、科学者らの研究で新しい鳥ウイルスが相次ぎ発見され、感染する鳥類の品種もどんどん増加している。2003年に世界的に鳥インフルエンザが発生し、2005年10月までに世界各地で人への感染が相次ぎ報告され、死亡例も増える一方。いままでの発生規則と経験から分析すると、鳥インフルエンザウイルスが人から人へと伝染するようになれば、世界規模でインフルエンザの大流行が勃発すると予測されている。現在、大半の研究者はこの見方を示し、あとは発生の時期と地域の問題だけだという。

現在発生している鳥インフルエンザは高病原性のH5N1型ウイルスであり、最新の研究でこのウイルスは感染者の体内で抗ウイルス成分の攻撃から逃げることができると判明された。世界保健機構(WHO)の記録によると、2003年12月26日から2005年10月10日まで、全世界で117人の鳥インフルエンザ感染が報告され、そのうち60人が死亡したという。1918年の「スペイン風邪」で約5千万から1億人が死亡し、1957年の「アジア風邪」では約100万人が感染して死亡、1968年の「香港風邪」は75万人の命を奪った。科学者の保守的な試算によると、H5N1型ウイルスのインフルエンザが世界規模で大流行すると、約1・8億人から3・6億人の命が失われるという。

様々な角度から分析した結果、この人間への感染が中国から世界へと広まる可能性は一番高いと考えられる。理由は以下である。

1. 過去100年間に発生した世界大流行はすべて中国南部と密接な関係があった。この地区の農家は家禽類を養殖する風習があり、鳥インフルエンザ研究第一人者の管軼助教授(香港大学)が研究した結果、今回の鳥インフルエンザ流行の起源は中国南部であると見解を示した。

2. 豚は人間のインフルエンザと鳥インフルエンザの両方感染にするため、この2種類のウイルスが豚の体内で、人間に伝染する新種インフルエンザウイルスに統合しやすいのである。歴史上のインフルエンザ大流行は全部豚を介し発生した。11月10日の新聞報道では、中国湖南省ではすでにH5N1型ウイルスに感染した豚が発見されたと報じた。

3.鳥インフルエンザ発生の最前線である中国では、保健衛生システムが非常に不健全である。世界保健機関(WHO)は全世界199ヶ国の医療部門を評価した結果、中国は144位となっている。中国衛生部の幹部も医療改革が失敗し、全国の3分の1の病院しか正常機能を果たしていないと認めた。

4.中国では、鳥インフルエンザが人間への感染を監察する専門機構すら設置されていない(農業部は鳥類の監察で、衛生部は人間の監察が責任範囲である)。これはもっとも重要な問題である。

5.免疫毒理学(Immunotoxicology)は最近20年で発展した新興科学で、環境汚染は生物体(動物と人間)の免疫系統に相当なダメージを与えることがほぼ証明された。中国は経済成長の過程で環境と資源が厳重に破壊され、深刻な自然環境の悪化は中国人の免疫機能に影響を与え、疾病に対する抵抗力が弱まることは避けられない

6.神経免疫学(Neuroimmunology)も比較的に新しい科学である。最近の研究で、神経系統が免疫機能に重要な調節作用を果たすことが証明された。中国社会は貧富の格差が大きく、貧困層の生活レベルが極めて低く、幹部らは職権を利用して国民の私有財産を略奪している。こうした緊張した社会環境で、人間の免疫機能が乱れる可能性が高い。最近中国で各種の流行病が頻発しているのはなによりの証拠であろう。

7.中国共産党が鳥インフルエンザなどの伝染病情報を隠ぺいする体質は、世界範囲でインフルエンザの大流行を拡大している。今年7月管軼助教授(香港大学微生物学)は英誌「ネイチャー」で中国南部から鳥インフルエンザが世界各地に拡散することを予測した。そのため、中国当局は管軼氏が「国家機密を漏洩した」と濡れ衣を着せ、同氏の研究室を強制閉鎖した。中国共産党はSARS大流行の時と同様に情報を隠し通そうとしている。

最後に、同氏は、鳥インフルエンザと人間のインフルエンザ大流行の応対方法について述べた。まず、関連知識を得て、冷静な対応が必要であり、次ぎは神経系統が免疫機能に調整機能を果たすよう、ゆとりのある穏やかな心理状態を保つことが重要であると指摘。太極拳や座禅、気功、ヨガなどでの健康促進効果も確認されていると述べた。

封教授は、今月21日に来日、外国人記者クラブで、「中国、インフルエンザ爆心地の可能性、その実情と対応処置」というテーマの講演を行う予定。講演会の詳細は、情報広場 で。

(記者・呉為)
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