上海:価格下落の荒波、住宅市場のバブル崩壊か
【大紀元日本10月18日】政策調整後の上海不動産市場は混迷に満ちている。買うべきか?売るべきか?「毎日経済新聞」は、天地行、上海富陽、易居中国研究開発部等の機関の数字を総合し、市場に政策、供給量、価格等に関する情報を提供するともに、2005年第4四半期における上海住宅市場の動向を全面的に分析している。
○政策面:調整措置が頻出
解読:購入者は合理的になり、来年の住宅価格は全面的に下落する可能性
今年上半期、中央から地方まで、相次いで住宅価格を調整するため、以下の措置が実施された:住宅向け貸付利率の引き上げ、5%の差額に係る営業税、有担保ローンの借り換え業務の停止、土地供給構造の調整、別荘に係る不動産取得税の徴収及び差額に係る付加価値税の徴収等。購入者は現在合理的になりつつあり、上海住宅市場においては、既に取引量の減少、価格低迷の局面が現れている。
天地行のアナリストの予測によると、第4四半期における上海不動産市場の取引が大幅に反発することは困難であり、来年の住宅価格はおそらく全面的に下落し、2007年になるまで力強い価格の反発は起こらない。
○市場面:9月における取引量は増加、価格は下落
解読:住宅価格の普遍的な下落は上海住宅市場が段階的な調整に入る予兆
2004年7月以来、上海住宅市場は、わずか一年間の間に、波の山から谷への急激な変化のプロセスを経験した。2005年の5月は、伝統的には取引の旺盛な時期であったが、ここで取引量が急激に減少し、谷底へと転落した。5、6月における市場の取引量は、前年同期の40%前後であった。
しかし、7月期において、市場では、次第に回復の兆しが見え始めていた。上海富陽のアナリストの指摘によると、ディベロッパーが、伝統的に販売が旺盛になる時期に合理的な価格の引き下げを組み合わせたため、取引量が反発を始めた。
注意すべきは、9月以降、取引量が持続的に反発すると同時に、価格が持続的に下落するという、相反する動きが現れていることである。易居のアナリストの見解によると、この価格下落動向は、初期のように取引構造の変化が引き起こしたものではなく、主として物件価格の普遍的な下落によるものである。
○ディベロッパーの方策:価格下落の荒波の襲来
解読:第4四半期においてますます多くの物件が、値下がりまたは安値に寄り付く
政策調整後における上海住宅市場の直接の反応は、新規物件市場における取引の全面的な収縮であり、以前は活発に販売が行われていた物件が、苦境に遭遇するようになった。上海市全体の取引量について、6月の取引量は5月に比べて16.9%減少し、7月の取引高は7月に比べて4.3%減少した。初めて大きな低迷が起こった。
一部のディベロッパーは、資金繰りが困難であるため、長年見られなかったような新規物件の値下げを開始した。
天地行の数字によると、6月、万里雅一期第二回の物件の分譲において値下げを開始し、記録となる低価格となったほか、達安春之声花園等の物件も相次いで値下げした。7月、錦綉華城は、平均価格を13500元から9000元に調整し、下げ幅は35%となった。これと同時に、大華集団もまた、物件販売価格を全面的に引き下げた;一部の物件については、不動産取得税の負担や、家電をプレゼントするなどの手法で、形を変えた値下げを実施した。8月、三林の一部の物件について値下げが始まった。
このほか、静安四季、揚子江家園、中環翡翠湾等の物件が、市場価格よりも15%安い価格で取引が開始された。9月、上海万科もまた、一部物件の販売価格の調整を始めており、「藍山」、「春申万科城」、「朗潤園」の3つが、優遇物件を同時に売りに出しており、その値下げ幅は5%~15%となっている。
市場の反応から見ると、率先して値下げを行った万里雅築は、わずか一ヶ月半のうちに、100件の取引が成立し、大華、万科の優遇物件は既に半分前後を販売しており、販売の状況は良好である。中環翡翠の販売も比較的活発であり、静安四季は販売量の新記録を作った。値下げ、低価格による物件の販売は、購入者の値下げ予測に合わせたものであり、このために、取引量は市況とは逆に活発なのである。
「毎日経済新聞」によると、第4四半期においては、更に多くの物件が、値下げ又は低価格で販売され、6ヶ月の長きに渡る取引の低迷の苦境からの脱却が図られることなる。