ヤフー、中国当局に顧客の情報を提供、被害記者は10年の禁固刑
【大紀元日本9月9日】国際人権組織「国境なき記者団」は6日、国際インターネット通信最大手のヤフーが中国記者・師涛さんの保護すべき個人情報を中国当局に提供した結果、師涛さんは国家秘密漏洩の罪で中国当局に10年の禁固刑を言い渡されたことについて声明を発表し、ヤフーの企業道徳倫理の欠如を強く批判した。VOAラジオ局が伝えた。
ヤフーは師涛さんの個人メール記録を中国当局に提供した
「中国商報」の記者・師涛さんは4月30日、中国長沙裁判所で10年の禁固刑に科せられた。罪状は海外のネットサイトに国家機密情報を送信したとのこと。
極秘国家機密とされる情報は、中国政府が「中国商報」に通達した内部指示で、メディア関係者に社会安定が「騒乱」される危険性があると通告する内容である。
裁判所の判決書から、ヤフーが中国当局に師涛さんの保護すべき個人情報を提供したことが明らかになった。中国の関連調査部門は、ヤフーの協力で師涛さんのメール記録にアクセス、「国家機密情報」漏洩とされるメールを手に入れた。
師涛さんは関係情報をメールで送信したことを認めているが、国家機密ではないと反論している。
「国境なき記者団」:ヤフーは師涛さんを刑務所に送り込んだ
「国境なき記者団」の関係責任者ジュリアン・ペイン氏は、「師涛さんの電子メールアドレスとメール記録は、保護すべき個人プライバシーである。しかし、ヤフーはこのような顧客の個人情報を中国当局に提供した。ヤフーの顧客背信行為がなければ、師涛さんの罪状は確定できなかったでしょう」と指摘し、「ヤフーの恥ずべき行為は多くの業界人に軽蔑され、国際メディア業界を震撼させた、この企業が師涛さんを刑務所に送り込んだ黒幕」と厳しく批判した。
ヤフーは今回の行動は中国の法律を遵守していると弁解しているが、ペイン氏は「中国の法律に違反していないかもしれないが、道徳基準に違反し、基本的人権を踏み躙った。表現の自由は保護されるべきだが、ヤフーはこれを無視している」と指摘。
「国境なき記者団」は、前からヤフーは中国共産党に新聞と言論の検閲に協力した事実を把握しており、今回の事件で更に、ヤフーは中国当局の手下となり、密告者に転落したとヤフーを非難した。