世界トップ金融機関が投資、中国で奴隷労働製品を製造

【大紀元日本8月20日】世界のトップ金融機関6社が株主になっている中国の河南レベッカヘアープロダクト社(Henan Rebecca Hair Products、以下レベッカ社)は、強制労働収容所に収監された人々の労働力によって製品生産を行い、国際人権公約に違反したとして、人権組織が厳しく非難。当社の最大輸出先・米国への輸出は禁止される可能性があると示唆した。

中国華南早報8月17日付けの報道によると、A株(国内投資家向け株式)であるレベッカ社が上海証券取引所にて発表した上半期の財務報告で、上位10位以内の株主に世界大手金融機関のドイツ銀行(Deutsche Bank)、HSBC、オランダ・インターナショナル(ING)、メリルリンチ証券(Merrill Lynch)、モルガン・スタンレー銀行(Morgan Stanley Bank)及びスイス銀行(UBS) 6社が外資機関投資家として名を連ねている。

レベッカ社は、今年の上半期に米国へ総額2億8100万元(約36億5300万円)のかつら製品を輸出し、当社の総売り上げの70%を占めた。また、会社側は生産効率のアップをはかり、利益は昨年同期に比べ37%増加したと話している。当社の国際部責任者・リー・クゥン・ティン(Li Kunting)氏によると、会社側は8千2百人の社員を雇っているが、正社員は6千人のみで、その他はパート・アルバイトである。当社が収容所の収監者をパートとして雇ったか否かについてはノーコメントだった。

しかし、河南省第三強制労働収容所及び許昌市強制労働収容所の警備員は、華南早報に対して、それぞれの収監者たちがレベッカ社の製品作りに従事したと証言している。また、レベッカ社自身も技術を要しない未完成品のかつらの製造は2箇所の強制労働収容所の収監者により作られ、当社の工場で完成品に仕上げた後、米国、ヨーロッパ及びアフリカへ輸出するとしており、収容所警備員の話と合致している。

国際法によれば、中国強制労働所における収監者らの作業は奴隷労働と見なされている。彼らは作業を拒否することができず、また、基本的に無報酬であるからだ。中国労働者観察研究センターのロビン・ムンロー(Robin Munro)主任は、中国の強制労働収容所に監禁された人々は、法的保護もなく、権利を剥奪された公民であり、国際法では任意の拘禁になると指摘。更に彼は、国連及び国際労働基準法により、彼らを強制的な労働に従事させてはならないと主張している。

外資機関投資家らは、株式に投資する前に当社に対して確かな審査を行ったかを疑わざるを得ない。北京の某会計事務所によると、通常1000米ドル未満の投資額の場合、外資機関投資家らは投資先の管理及び運営に対する審査は行わないという。ちなみに、米中の間では1994年、中国の刑務所収監者が製造した製品の対米輸出を禁止する取り決めが交わされている。

米中経済委員会及び証券取引委員会のリチャード・ダマト(Richard D’Amato)氏は、奴隷労働は非合法であり、米国は明確に奴隷労働製品の輸入禁止に関する法律があることを強調した。また、米国税関には、当件について調査するよう促し、これらの奴隷労働製品の輸入禁止に対して働きかけると表明した。

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