中国最高人民法院:立ち退きの訴訟を今後受理せず
【大紀元日本8月17日】中国最高人民法院(最高裁に当たる)は先日、8月中旬から全国の裁判所は立ち退きを巡る民事訴訟を受理しない方針を発表した。当事者は今後、『立ち退き管理条例』に基づき、政府部門に仲裁を申し立てるしかない。ラジオ・フリー・アジアがこのほど伝えた。
近年、中国では不動産の発展とともに、立ち退きを巡るトラブルが続出。住民側は裁判所に民事訴訟を起こしても受理されなかったり、裁判所は不動産開発会社と結託し、住民側に不利な判決を下したりしている。このため、多くの住民は上級部門に陳情を申し入れ、大きな社会問題となっている。最高人民法院が立ち退きを巡る民事訴訟を受理しないと明言したのは今回が初めて、この決定は多くの住民の反発を招くと予想される。
中国法律専門家、香港シティ大学法学院副院長・梁美芬氏はラジオ・フリー・アジアの取材に応じ、現在中国国内には立ち退き紛争に対応する仲裁所があるため、この機関を通じて紛争を解決してほしいという最高人民法院の思惑が窺えると述べた。梁氏は、最高人民法院は立ち退きを巡る民事訴訟のルートを閉鎖すべきではないと指摘した。
また、北京の張星水弁護士も、民事訴訟を通じて紛争を解決したい人に裁判の道を提供すべきであると主張し、最高人民法院の決定を批判した。
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