評論:法輪功はさらなる弾圧を警戒せよ

【大紀元日本7月19日】『大紀元時報』の「九評共産党(共産党についての九つの論評)」が伝えられ、脱党ブームが現れた後、中国共産党はどう反応すべきかが分からず、基本的に沈黙を守っていた。江沢民法輪功を弾圧するというとんでもないことを起こした後、中共指導部は如何にこれを収拾するかに悩んでおり、議論するばかりで結論に達していなかった。結局、江沢民が死んでからこれを議論しよう、という引き伸ばし戦略を取って対応した。しかし、最近は状況が変わり、中国の「階級闘争の新しい動向」に、法輪功側は警戒しなければならない。

7月16日日付の香港の「明報」は、「天津日報」の報道を転載し、「天津で、李艶忠という男性の法輪功愛好者は、包丁で自分の六歳の娘及び甥を殺し、その後に自首した」と伝えた。報道によると、警察側の取調べでは、李艶忠は自分の殺人事実を包み隠さず自供した。李艶忠は「法輪功を九年学んだが、なんとなく殺人したいと思うようになった」「そのとき、頭に人を殺す思いが満ちていた」と話したという。また、警察は彼の家で19冊の法輪功書籍と17枚の法輪功宣伝内容のテープを探し出したと発表しているという。

中共は冤罪やでっち上げなどの達人である。最近、死んだ人が甦った事例が二件あった。死んだはずの被害者が突然現れてきたのだが、犯罪者と判定された「犯人」は既に死刑に処刑されていた。それゆえ、(「天津日報」が報道したケースのように)見つけた法輪功の関連品を殺人容疑者のところに置き、拷問を加えて、彼らに犯罪を認めさせるのが、(中共にとって)手のひらを返すより容易なことである。肝心なことは、供述にある「法輪功を九年学習したが、なんとなく殺人したいと思うようになった」というところである。まず、私が知り合った多くの法輪功愛好者は性格が穏やかで、人に優しく、「人を殺したい」などという発言をするような人たちには思えない。さらに、仮に殺人したかったとして、どうして自分の子供を殺すのか。もし、法輪功を学習することによって、すぐ「人を殺したくなる」とすれば、どうして、この九年の間に一人も殺さないのに、このときになって人を殺すのか。

最近、アメリカの法輪功学習者は、中国で迫害により亡くなった法輪功愛好者の遺児を救援するために、感動的なチャリティー・コンサートを主催した。そのタイミングを考えると、今回子供を殺すデマをでっち上げたのは、おそらく法輪功愛好者の救援活動を妨害することにあると思われる。この事件をでっち上げ事件は、当局が自作自演した「天安門焼身自殺事件」のように、再び法輪功愛好者をおとしめようとすることである。

今回のでっち上げ現場は天津だが、1999年に始まった法輪功の弾圧は、天津で発行された「青少年科技博覧」による騒ぎから始まったのである。最近、オーストラリアで中共による法輪功の弾圧を暴露した郝鳳軍さんは、とりもなおさず、天津の国家安全局の警察である。今回は、天津の関係者は、また「手柄を立てた」のであろう。

この事件だけでは、それほど多くのことを連想させないだろう。しかし、7月7日に中国国務院の広報が主催した記者会見で、中共の中央組織部副部長・李景田氏が行った脱党問題発言から、中共はこれから何か動き出そうとしているのが感じられる。

また、全体の情勢をみると、最近中共の軍部は血気盛んで、アメリカへ核兵器を発射しようとか、東海(東シナ海)で日本と開戦しよう、などと語っているという。これは、江沢民前国家主席の残存勢力が胡錦涛国家主席を挑発しているかに見える。内部権力闘争が激化している最中、中共の神経に刺さる法輪功問題を取り上げて、うまく処理できるのはだれなのかを競い合っているのではないだろうか。

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