『香港フォーカス』:董建華の退陣の謎

【大紀元3月3日報道】香港特区政府から董建華が政協委員の職を受け入れたと公表された後、彼が全國政協副主席になるという噂はすぐ広がった。一般の見方は、これが彼を祭り上げて、面子を残してあげるというものだ。その後、すぐ彼が健康の理由で香港行政府長官を辞職するという噂が広がった。辞職が認可されるかどうか、二つの見方がある:一つは北京がすでに認可した;もう一つは中央が極力彼を留めるように努力している。

董建華辞職に関して、幾つかの基本的見方がある:

一、これは北京が主導している政治操作である:第一、北京政府しか董建華に政協委員及び政協副主席を委任することできない;第二、董建華の辞職はあくまで交換条件である;第三、“健康”の理由は共産党国家が“同志”を引き摺り下ろす時によく使っている表の手段であり、これを利用して裏側の操作を隠すつもりである。

二、以前、董建華の退陣の噂が出た時、長官弁公室はすぐ公に否認し、共産党よりの人たちがこの噂は「反中勢力の香港を乱す行為」だと非難する。しかし今回には、長官弁公室はこれについて 「ノーコメント」で、評論を避けているし、共産党よりの人たちは目立った反応もない。だが、メデイアが熱心にこの噂を報道している。この遣り方は、誰かが故意に情報を流し、突然の辞任にたいしての市民の驚きを緩和させる工作のようである。

三、江沢民は今期の全人代で國家軍事委員会主席の職を辞任し、一人の“普通の党員”になる。これによって、董建華は自分を可愛がって抜擢した強力な支持者が消えた。江沢民にはすでに面子問題が存在しなくなったし、董建華も名誉職を得て一応面子を保たれた。

四、董建華は愚かで無能力ではあるが、彼のように中国共産党政府に忠誠を尽くす人はあまりない。それで、彼に“国家指導者”の職を与えて、共産党よりの人を励ます意味もある。もちろん“使い捨て”の連想を避けて,将来の統一戦線の戦略に悪影響を与えないように配慮していることも考えられる。

五、董建華が辞職した後、香港基本法に従って、政務司司長の曾蔭権は長官代理になり、そして、6ヶ月後新長官が任命されるはずである。曾蔭権はイギリスが香港を管理した時代の公務員であり、ローマ-カトリック教の信者でもある。北京の共産党当局は彼をあまり信頼していない。利害を考慮した上で、現段階では、彼に代理長官を任せるのが有利だと判断されているかもしれない。

六、2週間前、香港ギャンブル業界のボス、何鴻エン(焱の下に木)は突然曾蔭権の新長官就任を支持すると表明した。これに対して、多くの人は理解しがたいと思っている。何鴻エンは多分北京から信頼できる情報を得たので、曾蔭権に賭ける気があった。だが、曾蔭権は本当に次期の長官になれるかどうか、まだ、北京当局の他に対する信頼程度を見ないと分からない。

七、董建華は香港で“民主の父”という美称がある。彼の言論により、香港市民は香港住民選挙の重要性を認識させられた。現在、香港で最も民望が高い官員の曾蔭権に長官代理をさせれば、民衆の民主への要求の圧力を軽減できる。しかも、猶予する時間がないから、選挙方法を変えることが不可能である。こうすれば、民主派が要求している2007年の香港住民の投票で長官を選挙することは取り消されるかもしれない。

八、董建華が退陣した後、香港の民主派の民主を求める声が弱くなる傾向があり、すでに低潮となった民主運動はより困難になる。更に経済情勢の向上とともに、民主派は新しい視点が見つけなければ、疎外される可能性もある。十分に注意すべきである。

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