“反国家分裂法”で米中関係に影響

【大紀元3月1日】米国の「ウオール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)」によると、近々中国は“反国家分裂法”を立法する予定で、この法案が採択されると、中国の武力で台湾問題を解決する法律根拠になる。また、この間、EUヨーロッパ連合は15年ぶりに中国への軍事兵器解禁という考えを示しているようだ。ヨーロッパの軍事技術を使って、台湾海峡を脅かす恐れがあり、台湾が緊張感の雰囲気が漂っている。

最近の中国情勢についてアメリカ国内では、中国は北朝鮮問題への努力が足りないという不満が多くあるほか、中国が軍事力を高めていることが懸念されている。アメリカは台湾への防衛協力を見直す考えがある。先週ヨーロッパを訪問したブッシュ大統領は、ヨーロッパ連合が中国への軍事武器の解禁は台湾海峡の軍事バランスを変えることになると話した。CIA情報局長官は、上院での公聴会で「中国の軍事力強化は、すでに台湾海峡の軍事バランスを崩させ、中国へと傾いていくようになり、この地域における米軍の脅威になりつつある」と警告した。

これらの見方は、中期的に隠されていた米中間の緊迫感が表出したと言える。パウル前国務長官などの穏健派を失望させ、アメリカの中国・台湾問題専門家によると、中国からの脅威は無くなるはずはなく、911事件によって希薄化したにすぎない。過剰な米国批判が米中間で静かだった時代はもう過去のことだと見ている中国の学者もいる。去年までは、陳水扁が台湾海峡の情勢を緊張させる心配があったが、現在は逆になり中国側が脅威的な要因になる懸念が高まってきた。

台湾とアメリカの一般的な見方では、中台関係は両岸の直航による友好の雰囲気があるなか、関係を悪化させたのは、中国側が出した“反国家分裂法”にあると指摘した。中国が“反国家分裂法”を成立させたら、アメリカからの批判が多くなり、さらに、ヨーロッパの対華武器の輸出解禁により、台湾への武器輸出が増えるという強硬政策を採るだろうとアメリカの評論家は分析した。

近年、中国は、繊維製品を大量輸出、著作権などの知的財産権を無視し、相手国との貿易摩擦をもたらした。人為的に人民元安を誘導し、不当な競争を図ることでアメリカ議会議員の不満が高まってきた。また、中国の聯想コンピューター会社がIBMの個人用コンピューター事業の買収について、共産党が世界の個人用コンピューター市場へ手を伸ばすのではないかと懸念を抱く議員が数多くいる。

ウオール・ストリート・ジャーナルの分析によると、中国の立場から見ると米中関係に影響するほかの要因がある。例えば、日米は決して中国が強くなることを望まない、台湾問題は米中間の最大の問題だと中国政府は考えている。先週の日米安保条約では台湾が含まれることは、中国との関係を優先していないと中国の学者ら一部が指摘した。

一方、アメリカの政府首脳関係者によれば、北朝鮮の核問題において、中国が果たすべき役割は見えておらず、中国からの脅威に注目しており、対中政策はますます強硬的になった。中国が“反国家分裂法”を成立させ武力で台湾問題を解決しようとしている情勢は、アメリカの対中政策見直しのきっかけになるとしている。

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