千年前の神秘的な体験が明かした月にまつわる伝説は、現代人を驚かせるものです(Photo credit should read Loïc Venance/AFP/Getty Images)

山中で出会った「月を修復する人」 唐代奇談が語る月の謎

唐代の博識な文学者、段成式(約803年〜863年)による物語集『酉陽雑俎(ゆうようざっそ)』は、千年にわたって語り継がれてきた想像を超える奇談が、今も多くの人々に親しまれています。その中でも、天の謎に迫る『巻一・天咫(てんし)』には中秋節の月にまつわる伝説がいくつか記されており、有名な「呉剛が桂を伐つ」もその一つです。

そしてもう一つ、非常に神秘的な出会いを描いた話があります。それは、月の「真相」に少しずつ気づき始めている現代人にとって、思わず息をのむような内容です。月は、はたして神人が造ったのでしょうか? 中秋に添えるにふさわしい、奇想天外な逸話をご紹介します。

話は、唐の文宗の治世である太和年間(827〜835年)のことです。鄭仁本という人物の従弟(名前は記録されていないため、以下「鄭の従弟」と呼びます)は、山水を巡るのが好きで、いつも王という姓の秀才とともに嵩山(すうざん:中国の河南省にある名山)を旅していました。

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