2023年3月17日、アイルランドの法輪功学習者は招待を受け、リムリック(Limerick)市の「セント・パトリックス・デー」(St Patrick’s Day)パレードに参加した(峰羽/大紀元)

ゴールウェイ市当局が中国共産党にNO! 法輪功パレードを巡り守ったレッドライン

英紙アイリッシュ・タイムズがこのほど公開した情報公開(FOI)文書によると、中国共産党(中共)の駐アイルランド大使館が3月13日、ゴールウェイ市議会に書簡を送り、法輪功がセント・パトリックス・デーのパレードに参加することに重大な懸念を表明し、参加を排除するよう求めた。

中共側はさらにパレードの規則を引用し、法輪功の参加はアイルランドの伝統文化を損なうと主張した。しかし、ゴールウェイ市当局はこれを受け入れなかった。

市議会の担当者デレク・ペンダー氏が示した理由は非常に簡潔であり、同時に力強いものだった。法輪功は所定の申請手続きを完了し、既定の規則に従って承認を受けているため、その承認に基づいてパレードに参加するというものである。

4日後、法輪功は予定通りパレードの隊列に加わった。

1)アイルランドの公共空間のルールは誰が決めるのか

この問題の核心は、中共政府に、アイルランドの都市で行われる公共行事に誰が参加できるかを決めるどのような権限があるのか、という点にある。

ゴールウェイ市議会が直面したのは、単に「法輪功をパレードに参加させるかどうか」という問題ではなかった。より原則的な問題、すなわち、アイルランドの公共空間におけるルールを一体誰が決めるのかという問題だった。

外国政府が、ある団体を気に入らないという理由だけで、すでにパレードへの参加資格を得ているその団体を排除するようアイルランドの地方政府に要求できるのであれば、今日は法輪功が対象でも、明日は別の政治的反体制派、宗教団体、亡命組織、あるいは海外の華人団体が対象になる。そうなれば、アイルランド自身の法律や行政手続きが、外国政府の意思の下に置かれることになる。

したがって、ゴールウェイ市議会が実際に守ったのは、法輪功という団体がパレードに参加する権利だけではない。アイルランド自身の司法、行政、公共統治の境界でもある。

2)規則に従うことこそ強権への最も力強い回答

ゴールウェイ市のパレード規則には、パレードを政治的主張の表明や、ロビー団体、運動の宣伝に利用してはならないと定めている。つまり、法輪功がパレードの規則に違反していれば、市当局が規則に基づいて参加を拒否することは当然可能である。

しかし問題は、規則に適合しているかどうかを判断するのは、アイルランド自身の法律と行政手続きによるものであり、中共政府が代わって判断する権限はないという点である。まさにそこに、今回のゴールウェイ市当局の対応の意義がある。

報道によると、市議会は安全面について地元警察にも意見を求めたが、警察は法輪功のパレード参加について安全上の問題を指摘しなかった。

したがって、状況は非常に明確だった。申請は規則に適合している。警察は安全上の問題を指摘していない。既定の手続きに従って承認する。そして、一度承認した以上、その決定をそのまま実行する。

これは現代の法治行政における最も基本的な論理である。

市長が意気盛んな演説をする必要もなければ、公然と中共政府に対抗する必要もない。ただ「規則に従って処理する」と言えばよい。

時として、それこそが強権に対する最も力強い回答なのである。

3)「中共の基準」をアイルランドの基準にしない

中共が法輪功への弾圧を始めて以降、中共は法輪功に対する中傷と迫害を他国にも広げ、他国にも法輪功に対して自らと同じ対応を取らせようとしてきた。しかし、国際法の観点から見れば、それは根本的に通用しない。

中共政府は法輪功を中傷し、信用を失墜させようとしている。そして、アイルランド政府にも中共による政治的な位置付けを受け入れさせようとしている。しかし、そのような権限が中共政府にあるのか。それはない。

中共政府は、法輪功はアイルランドに「現れるべきではない」と考え、アイルランドの地方政府に法輪功を排除させようとしている。しかし、そのような権限があるのか。それもない。

そうでなければ、いわゆる国家主権は不合理な逆転を起こすことになる。アイルランドは自国の領土を持ちながら、ここで誰がパレードに参加できるのかを外国政府が決めることになる。それは明らかに受け入れられない。

ゴールウェイ市議会の対応は、事実上、「われわれの公共的な事柄は、われわれ自身の法律と手続きによって決める。外国政府の意思には従わない」と表明したものだ。

これこそ民主国家が持つべき政治的な自信である。

4)中国との友好は中共への服従ではない

この出来事には、さらに深い意味がある。

近年、中共は海外での影響力をますます重視し、中共政府の政治的立場を他国や地方政府、大学、企業、社会団体にも受け入れさせようとしている。

こうした状況で、民主国家が最も守る必要のある一線は、中国と協力することはできるが、中共が自国に代わってルールを定めることを受け入れてはならない、ということである。

アイルランドは中国と通常の外交関係や経済・貿易関係を維持することができる。また、中国の人々や中国文化を尊重することもできる。

しかし、それはアイルランドが、法輪功や反体制派、海外の華人団体などに対する中共の政治的な位置付けを受け入れることではない。

この二つは分けて考えなければならない。

中国を尊重することは、中共に服従することではない。中国とアイルランドの関係を発展させることも、中共の政治的ルールをアイルランドへ移植することではない。

今回、ゴールウェイ市当局は実際にそれを実践した。

5)法輪功のパレード参加承認は多元社会の正常な姿

今年3月17日のゴールウェイのセント・パトリックス・デーのパレードには、70以上の団体を代表する約3千人が参加し、沿道には3万人を超える観客が集まった。

参加者はウクライナ、ポーランド、ガーナ、メキシコ、ラトビア、ジョージア、フィリピンなど、さまざまな国やコミュニティーから集まり、アイルランド法輪大法学会もその一つだった。

これは実に象徴的である。

セント・パトリックス・デーはもともと、公共文化としての性格が非常に強い祝日であり、現代のアイルランド社会もまた多元的な社会である。異なる国、異なる文化、異なる宗教、異なる背景を持つ人々が、ここで共に祝うことができる。

したがって、ある団体が参加できるかどうかは、まず活動の規則に適合しているかどうかで判断されるべきであり、中共政府がその団体を好むかどうかで判断されるべきではない。

この意味で、法輪功が最終的にパレードの隊列に加わったこと自体、多元社会の正常な姿の一つである。

総じて言えば、ゴールウェイ市議会は中共の圧力を恐れず、法輪功のセント・パトリックス・デーのパレード参加を認めたことで、少なくとも三つの重要な一線を守った。

第一に、外国政府は意見を表明することはできるが、アイルランドの法律の上に立つことはできない。

第二に、ある団体が公共行事に参加できるかどうかは、公開した統一的な規則に基づいて判断するべきであり、外国政府の政治的な好き嫌いに基づいて判断するべきではない。

第三に、民主国家は中国と交流することはできるが、中共の政治的意思を自国の公共政策としてはならない。

責任編集:高義

関連記事
法輪功の学習者と地域の支援者らは8月15日、フィラデルフィアのチャイナタウンに集まり、中国共産党が国家ぐるみで進める強制臓器摘出を暴露し、これに反対する超党派法案を米上院が速やかに可決するよう求める公開集会を開いた
日本在住の張麗玲氏は、中国広東省で法輪功学習者の母・邱秀萍氏が警察に連行されたとして救出を訴える。家族も長年、拘束や嫌がらせを受けてきたと主張する。
8月1日、社会問題化している「海外渡航臓器移植」の実態を描いたドキュメンタリー映画『Human Harvest(邦題:人狩り 中国の違法臓器売買)』の無料上映会が東京狛江市・泉の森会館で開催される
スイスの各級議員124人が共同声明に署名し、中国共産党による法輪功への越境弾圧と長年の迫害を非難。政府に国内保護強化と迫害停止要求を求めた