あなたのオフィスで扱われている技術データ、何気なく利用しているサプライチェーンそのものが、すでに中露による『静かなる侵略』の主戦場となっている(Shutterstock)
日本の急所を狙う中露「独裁の枢軸」

「スパイ天国」脱却へ ビジネスパーソンが直面する防諜の最前線

ウクライナにおける戦火や台湾海峡をめぐる緊張は、一見すると日本国外の限定的な地政学リスクと捉えられがちである。日々の業務やサプライチェーンの維持に追われるビジネスパーソンにとって、安全保障とは国家が専管すべき領域に映るかもしれない。

しかし、その防諜やリスクマネジメントに対する意識の隙こそが、我が国が直面している最大の課題である。世界は今、冷戦期を超える秩序再編の渦中にある。その地殻変動の核心とは、中国とロシアという二大国が、軍事・経済・情報・先端技術のあらゆる領域で実質的な協調体制「独裁の枢軸(Axis of Autocracy)」を構築しているという厳然たるファクトである。

中露両国が既存の国際秩序を再構築するために連携を進める中で、その地理的・地政学的な境界線上に位置しているのが、我が国・日本である。ビジネスパーソンが日常的に扱う先端技術データ、グローバルなサプライチェーン、および日々接しているインターネットの情報空間そのものが、すでに中露による「非公然な影響力工作」の対象となっている。私たちはもはや無関係な傍観者ではいられない。

▶ 続きを読む
関連記事
靖国神社御親拝停止はA級戦犯合祀が原因とする従来説に対し、1975年の政治問題化が契機だったとする新事実を検証
米中間選挙の行方を歴史的前例や世論調査の死角から分析。過去の先例を挙げ、議会勢力図の変動が必ずしも政権の終焉を意味しない本質を鋭く読み解く
中共の台湾侵攻を抑止する鍵は、食料供給の弱点にあるのか。米外交誌の論考は、大豆の輸入依存に着目。戦時の海上輸送の混乱が飼料や食用油の不足を招き、物価高や国民の不満が戦争継続を難しくする可能性を指摘する
米国防総省の「軍事基地90日間独立計画」は世界大戦の兆候なのか。本記事では、サイバー攻撃等のインフラ脅威に備える現実的な国防戦略の背景を解説し、過剰な戦争の憶測の誤りを指摘する
米国防情報局は、中共軍が2030年までに指向性エネルギー兵器を軌道上に配備する能力を備えると予測。米軍の通信・偵察衛星への脅威が増す一方、中共側にも技術や指揮系統の制約がある。米軍は衛星の分散配備や迅速な補充などで対抗する