フィラデルフィアの集会参加者 中国での強制臓器摘出に対処する法案の可決を米上院に要請
法案は、臓器取引に関与する外国人を処罰し、外科医の研修などを通じて、アメリカの医療機関が人権侵害に当たる行為を支援することを防ぐものである。
法輪功の学習者と地域の支援者らは8月15日、フィラデルフィアのチャイナタウンに集まり、中国共産党(中共)が国家ぐるみで進める強制臓器摘出を暴露し、これに反対する超党派法案を米上院が速やかに可決するよう求める公開集会を開いた。
法輪功は法輪大法とも呼ばれ、「真・善・忍」の理念に基づく道徳的な教えを含む精神修養法であり、瞑想法でもある。1992年に初めて公に伝えられ、口コミによって急速に広がり、1990年代末までに中国国内の学習者は推計7千万人から1億人に達した。
中共は、法輪功の人気が政権の権力を脅かすことを恐れ、法輪功を壊滅させることを目的として、1999年7月に残酷な迫害運動を開始した。それ以来、数え切れないほどの学習者が恣意的な拘束、強制労働、拷問、強制臓器摘出の被害を受けてきた。
大フィラデルフィア法輪大法学会が主催した今回の集会は、「法輪功および強制臓器摘出被害者保護法案」(S.4009)の可決に向けた機運を高めることに重点を置いた。
同法案は、テッド・クルーズ上院議員(共和党、テキサス州)とジェフ・マークリー上院議員(民主党、オレゴン州)が提出し、2026年7月27日に上院外交委員会に報告した。臓器取引を助長する外国人に制裁を科すこと、アメリカ国務省への包括的な報告を義務付けること、アメリカの医療機関が人権侵害を伴う移植行為を支援するのを防ぐことを目的としている。
関連法案である「法輪功保護法案」(H.R.1540)は、2025年5月に下院で全会一致により可決している。
生存者 間一髪で逃れた体験を証言
集会で中心となったのは、生存者による証言だった。中国安徽省出身の法輪功学習者、ティエン・ジョンフォン氏(82)は、2006年3月に逮捕された後、臓器摘出のために殺害される寸前だったのではないかと疑っていると語った。
「私はベッドに手錠でつながれ、医師が毎朝、私を診察し、健康状態に問題はないと言っていた。医師や看護師は私と話すことを拒みましたが、私に薬を注射し続け、ひどい苦痛を与えた。警備員とその家族の電話での会話を耳にし、そこが心臓手術を行う手術室だと分かった。そのため、私は臓器摘出の犠牲者になるのではないかと疑がった」
ティエン氏は、身体を動かせない状態にあった自分を評価しに来た、見知らぬ訪問者について振り返った。
「私が法輪功を学んだために拘束されたとその男性に話すと、警備員は彼に、バルコニーへ出て話すよう求めた。警備員は『彼女の体はとても健康だ。過去に一度、頭を負傷しただけだ』と言った。男性は立ち去る際、何も話さず、もう一度私を見たが、その見方は奇妙で、まるで私を買おうとしているかのようだった」
ティエン氏によると、抵抗して助けを求めた後、同情的な医師が勤務交代の際にひそかに介入した。その後、別の医師が、通常とは異なる注射によってティエン氏の臓器が損傷したと診断した。ティエン氏を労働収容所へ戻した後、家族の元へ釈放した。ティエン氏は最終的に2012年にアメリカに逃れた。
「骨が凍るように感じる一方、皮膚は燃えているように感じ、脚は硬直し、時折鋭い痛みがあった」
ティエン氏は、自宅へ戻った時の身体の状態をこのように振り返った。
世界的な加担に反対する医療関係者の訴え
「強制臓器摘出に反対する医師の会(DAFOH)」を代表して参加したジェシカ・ルッソ医師は、中国における移植を巡る人権侵害は組織的に行われていると訴えた。
「法輪功学習者に対する迫害の中で最も悪質な形態、私たちが生きてきた間に目にした何よりも邪悪なものが、強制臓器摘出だ」
「強制臓器摘出とは、臓器を得るために罪のない人を殺害することだ。中国では良心の囚人が犠牲者の供給源となっており、法輪功学習者が最大の被害者集団だ。このほか、ウイグル人、チベット人、家庭教会のキリスト教徒などを含む」
ルッソ氏は、この行為が世界各地の闇市場とは異なり、産業規模で行われていると述べた。
「中国における強制臓器摘出は金銭的利益によって動いており、90億ドル規模の産業とみている。しかし、第一義的にはジェノサイドの犯罪だ」
「2016年の追跡調査では、中国で行われた臓器移植の件数を調べた結果、年間6~10万件であることが分かっている。しかし、中国の自発的な臓器提供者は少なく、約0.03%、人数にして30万人余りだ。これをアメリカと比較してほしい。アメリカでは1億4500万人が臓器提供者名簿に登録しているが、それでも年間に行われる移植手術は約4万件から4万5千件にすぎない」
ルッソ氏は、こうした活動の継続に欧米が加担することについても警告した。
「ペンシルベニア州にも多くあるが、アメリカの移植センターは中国人外科医を研修している。その外科医たちは中国へ戻り、こうした殺人を行う可能性が高い。製薬会社は計28社、その大半がアメリカに本拠を置いているが、中国で移植に関する臨床試験を実施している。また、医療用品会社は、中国の移植手術に必要な資材を提供している」
ルッソ氏はこう述べ、参加者に対し、議員に連絡し、S.4009への請願書に署名するよう呼びかけた。
「ホロコースト生存者のエリー・ウィーゼルはかつて、『沈黙が励ますのは苦しむ者ではなく、苦しめる者である』と述べている」
行動を呼びかけ
非営利団体「アメリカン・リアル・ボイス」のアーロン・バシール代表は、迫害されている集団を守る普遍的な道徳上の義務を強調し、熱のこもった演説を行った。
「想像してみてほしい。あなたの信念や信仰を理由に、誰かがあなたを病院へ連れて行き、臓器を奪う」
「腎臓がなくなり、心臓がなくなり、肝臓がなくなっても、誰もそのことを知らない。家族が知った時には、もう手遅れ……。私は、すべての仲間、そして党派を問わず、すべての政治家に、この法案に賛成し、法輪功の人々を支援し、守っていただくよう強く求める」
バシール氏は集会中の大紀元の取材に対し、次のように語った。
「誰かの兄弟、誰かの姉妹、誰かの娘、誰かの父親、あるいは誰かの夫や妻が、毎日命を落としていることを人々は知る必要がある。良心を持つ一人の人間として、また、神とほかの人を愛するキリスト教徒として、私はこれを無視することはできない」
デラウェア州下院のマイケル・スミス議員は集会に先立ち、大紀元の取材に対し、アメリカは権威主義体制の犠牲者を守らなければならないと述べた。
「中共が人々に対して行ってきた残虐行為は恐ろしいものであり、私たちアメリカ人はこれに対し立ち上がる必要がある。アメリカは常に人を受け入れる国であったと思う。抑圧的な地域から来て、現在この国で暮らしている人に対し、私たちが彼らを支えていることを示さなければならない時もある」
デラウェア州選出の米上院議員選挙に共和党から立候補しているマイク・カッツ医師は、元州上院議員でもあり、連邦政府が責任を果たす必要性について同様の見解を示した。
「医師としていえば、私はアメリカだけでなく世界中のすべての人の安全と健康を守ることに、自らの職業人生を費やしてきた。私は上院議員と下院議員に対し、中国における強制臓器摘出を、わが国の政府が停止させるための法案に確実に名を連ね、支持するよう求める」
市民の声
集会では、地域住民や訪問者が足を止め、展示した資料を通じて問題について学び、米上院議員宛ての請願書に署名した。
ペンシルベニア州ハンティンドンで事業を営むジェシー・ドイシング氏は、中国での強制臓器摘出について知り、衝撃を受けたと語った。
「何ということだろう。こんなことが行われているなんて信じられない。違法であり、許されるべきではない。正しいことではない。彼らは生きたまま人を殺している」
「それが恐ろしいことだと分かっているし、そんなことが許されてはならない。誰かに連絡しなければならない。知事に電話し、これを止め、支援する必要があると伝える」
デラウェア州で特別支援教育の擁護活動に携わるトリッシュ・ロケット氏は、介入することは人類に共通する、より広範な義務だと強調した。
「現在、アメリカでは政治情勢を巡り、さまざまなことが起きている。世界で起きている非常に重要なニュースについて、広く訴えることが極めて重要だと思う。人間として、どの国に住んでいるかにかかわらず、私たちは常に互いを支援し、守る意思を持つべきだ」
バージニア州アレクサンドリアで警備の仕事に携わるエイミー氏は、公開集会を継続する必要性について語った。
「私たちは、中共による中国での臓器摘出について知った。多少は知っていたが、これほどひどいとは知らなかった……。これは極めて重要だ。こうした情報を伝え、認識を広めるため、このような抗議活動をもっと行う必要がある」
メリーランド州の芸術家で作家でもあるムーラ氏は、組織として責任を果たすよう求め、その場で請願書に署名した。
「公的な行動が必要だ。私たちには代表者がいる。その代表者たちが耳を傾けるよう、話をしなければならない。請願はそのための一つの方法だ」