外国代理人による神韻への弾圧の内幕を暴く
今年2月下旬、神韻芸術団がオーストラリアで巡回公演を開始しようとしていた際、現地主催者は匿名の通信を受け取った。この通信は、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相のキャンベラの官邸に爆発物を仕掛けたと主張し、神韻のオーストラリア公演の中止を要求するものだった。アルバニージー首相は一時、官邸から避難した。
約5週間後、カナダ・トロントで神韻公演が行われていたフォーシーズンズ舞台芸術センターも、神韻の同日午後公演の直前に、内容の似た爆破予告メールを受け取り、劇場は緊急に人員を避難させた。警察はその後、爆発物を発見しなかったが、劇場は安全上の配慮と、脅迫がエスカレートし続けていることを踏まえ、神韻芸術団の同劇場での残りの公演を中止した。
この2件は、神韻に対する弾圧行動の中でも最も注目を集めた事例である。この行動は神韻の世界巡回公演の拡大・エスカレートに伴って続いており、今年夏、トランプ大統領が米国における共産主義の問題について警告を発したことで「共産主義」という言葉が再び米国メディアの見出しを飾り、改めて広く注目を集めている。
流出した文書によると、この行動は中国共産党(中共)上層部にまで遡ることができる。中共は法廷闘争、偽情報の拡散、メディア操作など多様な手段を通じて神韻芸術団を弾圧しており、さらには米国政府機関を利用して中共政権の政治的アジェンダを推し進めようとさえしている。
神韻芸術団は法輪功(法輪大法とも呼ばれる)の修煉者らによって2006年に米ニューヨークで設立された。法輪功は心身の修煉法であり、1999年以降、中共政権による迫害を今なお受け続けている。
神韻芸術団は毎年、複数の公演団を世界各地に派遣して巡回公演を行っており、プログラムには中国古典舞踊、中国と西洋の楽器を融合させたオーケストラの伴奏、中国の歴史や神話を題材とした舞劇などが含まれる。プログラムの一部は、中国国内で起きている中共による法輪功学習者への迫害も取り上げており、これこそが中共当局が最も嫌う内容となっている。
最近、米連邦検察官は、中共政府の指示を受けて米国内で神韻芸術団や法輪功を標的に妨害活動を行った複数の人物の起訴に成功しており、いずれの被告も罪を認めている。
2023年5月、米司法省は陳軍(ジョン・チェン)と林峰(リン・フォン)を、神韻芸術団を標的とした贈賄陰謀の容疑で刑事訴追した。検察によれば、両者は米連邦捜査局(FBI)の覆面捜査官が扮する米内国歳入庁(IRS)職員に賄賂を渡そうとし、神韻芸術団が属する非営利団体の免税資格をIRSに取り消させようとした。
2024年7月、陳軍と林峰はそれぞれ「未登録の外国政府代理人としての活動」および贈賄などの罪状について有罪を認めた。最終的に陳軍には20か月、林峰氏には16か月の禁錮刑が言い渡された。
米司法省によると、事件の録音記録の中で陳軍氏は、IRS職員への贈賄資金は中共政府から出ており、その目的は「法輪功……を転覆させる」という目標の実現を後押しすることにあったと述べていたという。
陳軍氏の事件は単独のものではない。2026年2月、カリフォルニア州チノヒルズ在住の孫耀寧(別名マイク・スン)氏が、北京当局の非合法な代理人として活動したとして、連邦禁錮4年の判決を受けた。検察によれば、孫耀寧氏は南カリフォルニアのある市議会議員候補の政治顧問を務めていた際、中共当局者の指示を受け、法輪功を含む「反中勢力」への取り締まり活動の詳細を、中共当局に提出する報告書に記していたという。
3件目の事件は、この行動が海外の華人コミュニティにまで及んでいることを示している。
2024年11月、フロリダ州のIT従事者、李平(ピン・リー)氏が、中共政府の代理人として活動を共謀したとして禁錮4年の判決を受けた。米司法省によると、李平氏は長期にわたり中国国家安全部に情報を提供しており、その中には中国の反体制活動家、民主活動家、法輪功学習者、および米国内の非営利団体に関する資料が含まれていたという。
連邦検察官やアナリストらは、これらの事件を一般に、FBIが言うところの「トランスナショナル・リプレッション(越境的弾圧)」事件に分類している。これは、外国政府が国境を越えて、海外の僑民や亡命者コミュニティに対し、威嚇、沈黙の強要、脅迫、嫌がらせなどを行う行為を指す。
FBIによれば、こうした越境的弾圧の手口には、脅迫、監視、嫌がらせ、サイバー攻撃(あるいはサイバー活動)当事者の出身国にいる親族への圧力、法的・行政的手続きの濫用などがある。
神韻芸術団に対する越境的弾圧に関して言えば、出演者やその家族への脅迫、公演会場への圧力、神韻本部への監視、そして米国の税制を利用して神韻芸術団や法輪功を攻撃しようとする試みなどがあげられる。
神韻および関連事件を追跡している人権団体「法輪大法情報センター」によると、2024年3月以降、神韻芸術団、法輪功修煉者およびその支持者は、劇場やチケット販売プラットフォームに送られる電子メールからの爆破予告、大規模な銃撃予告、さらには殺害予告など、世界各地で200件を超える脅迫事件が発生しているという。
これらの脅迫はほぼすべてが虚偽の警報であったことが確認されており、人的被害は発生していないものの、北米、欧州、アジア各地の劇場で緊急避難を引き起こし、警察の介入を招いてきた。
このうち少なくとも1件については、捜査当局が脅迫メールが中国からのメールであると特定している。台湾の「自由時報」は2025年4月、神韻を標的とした爆破予告事件を捜査していた台湾の刑事警察局が、技術的な調査を通じて、脅迫メールの発信元を中国・西安市にあるファーウェイ(華為)関連の研究機関に特定したと報じた。
これらの脅迫は神韻公演が行われる劇場だけにとどまらない。一部の脅迫メールは米連邦捜査局、連邦議会、ホワイトハウスといった連邦政府機関まで名指ししている。2025年2月には、爆破予告メールにより、ワシントンDCのケネディ・センターが神韻公演の開演直前に、建物内全員の緊急避難を余儀なくされた。
爆破予告に加え、神韻芸術団は近年、一部のネット上で活動する人物からの攻撃も継続的に受けている。
米国在住のあるYouTubeチャンネル運営者は、長期にわたりソーシャルメディアを通じて神韻芸術団および法輪功を攻撃しており、X(旧ツイッター)上でも活発に活動している。2023年以降、その言動は徐々に批判から脅迫的な発言へとエスカレートし、実弾を装填した拳銃を手にした自身の映像も公開した。
2023年9月7日、米司法省はニューヨーク州およびマサチューセッツ州の法執行機関に対し、「警官の安全(Officer Safety)」に関する警報を発した。文書によれば、この男性は神韻本部付近で目撃されたことがあり、「武器を所持しており危険である」可能性があるとされた。その後、同人物は銃器の不法所持で起訴された。翌年公開した映像の中で、彼は神韻の舞踊教師らに向け「お前たちは私を恐れるべきだ」と警告した。
彼はまた、自らをメディアの窓口としても位置づけている。2024年8月、彼はX上で、神韻の元出演者を「ニューヨーク・タイムズ」紙に取材対象として紹介したと投稿した。
こうした行動は彼が中共の弾圧行動の2つの主要な流れ、一方では脅迫や威嚇を行い、他方では神韻のイメージに影響を与えるための世論工作にメディアを通じて関与するという両方に同時に関わっていることを示している。
神韻芸術団の一部演者にとって、中共の弾圧行動は抽象的な概念ではない。元プリンシパルダンサーで現在は舞踊教師を務めるスティーブン・ワン氏は、中国にいる自身の家族(が受けている迫害)について公に語ったことがある。米国国際宗教自由委員会(USCIRF)がまとめた証言によれば、スティーブン・ワン氏の母親、劉愛華氏は2023年3月、湖南省で禁錮4年の判決を受けた。同委員会は劉愛華氏の情報を、その良心の囚人データベースに登録している。
本部をニューヨークに置き、演者の多くが米国市民または米国居住者である神韻芸術団にとって、ニューヨークであれ、トロントであれ、あるいは世界の他の地域であれ、受け取った脅迫メールの発信元は、繰り返し中国へとたどり着いている。そして連邦訴追事件は、この弾圧行動がもはや単なる外国の事案ではなく、中共政権の代理人が米国内で活動を展開していることを明確に示している。
今年の夏、米国社会における共産主義をめぐる議論は、もはや政治的な論争にとどまっていない。複数の連邦事件は、共産党が統治する政権が、その行動を米国内にまで及ぼしていることを示しており、関連する事実は刑事訴追、被告の罪状認否、および裁判所の判決といった司法手続きを通じて既に裏付けられている。