ナスダック市場への上場(IPO)にあたり、タイムズスクエアのナスダック・マーケットサイトにて、ビデオ通話を通じてスピーチを行うSpaceX(スペースX)の創業者兼CEO、イーロン・マスク氏(2026年6月12日、ニューヨーク市) (Photo by Spencer Platt/Getty Images)
SpaceX「史上最大IPO」の裏の真実:米中インフラ戦争と日本の「見えない危機」

宇宙・AI・制度による世紀の競争 SpaceX上場が照らす新世界秩序

2026年6月12日、イーロン・マスク率いるSpaceX(スペースX)がナスダック市場に上場した。調達額は750億ドル。かつての記録保持者であるサウジアラムコの294億ドルを2.5倍以上も上回り、人類史上最大のIPO(新規公開株)となった。

だが、この数字の本質は金額の大きさではない。「巨額の赤字企業が、史上最大の資金を集めた」という事実にある。SpaceXは2025年にAI企業「xAI」を買収したことで約50億ドルの赤字を計上しており、2026年第1四半期の損失も前年の通期に匹敵するペースだ。それでも投資家が殺到したのはなぜか。彼らが買っているのは足元の収益ではなく、マスクが描く「壮大な物語」と、それを支える市場制度への信頼なのだ。

SpaceXの事業構造は、大きく三つの軸に整理できる。

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