2026年5月15日、北京を出発し米国へ戻る大統領専用機内で、記者団に応じるトランプ米大統領(Brendan Smialowski / AFP via Getty Images)

トランプ氏「嵐の前の静けさ」 米・イラン停戦協議は難航

アメリカとイランの停戦協議は、これまでのところ合意に至っていない。米側は「核兵器の排除」と「海峡の自由航行の確保」を交渉の柱に据えているが、イラン側は依然として明確な確約を示していない。このため、戦闘が再燃するとの観測も出ている。米軍もすでに部隊の展開を進めており、トランプ大統領はSNSで、今は嵐の前の静けさだと投稿した。

訪中を終えてホワイトハウスに戻ったトランプ氏は、今後、イランへの対応を本格的に検討するとみられる。報道によると、国防総省はイランへの空爆再開を含む複数の作戦案を準備しているという。

中東地域の当局者は、アメリカとイスラエルが停戦後、最大規模となる共同作戦の準備を進めており、早ければ来週にもイランへの攻撃が再開される可能性があると明らかにした。

イスラエルのネタニヤフ首相は、「われわれもイラン情勢を注視している。もちろん、多くの可能性がある。あらゆる事態に備えている」と述べた。

ネタニヤフ氏はまた、同日、トランプ氏と電話会談する予定だと明らかにした。

一方、トランプ氏も自身のSNSに投稿し、現在の状況について「嵐の前の静けさだ」と表現した。

トランプ大統領は15日、ホワイトハウスに戻る機内で、イランが提示した停戦案に改めて不満を示した。

トランプ氏は、「私は合意案を読んだ。最初の一文で納得できなければ、その場で破棄する」と述べた。

記者が「最初の一文とは何か」と尋ねると、トランプ氏は「受け入れられない内容だ。彼らは『非核化』の意味を分かっているはずだ。彼らがいかなる形であれ核を保有しようとするなら、私はその先を読むつもりはない」と答えた。

米軍はイランの港湾封鎖も視野に入れながら、中東への部隊展開を進めている。関係者によると、米軍が中東に展開する兵力はすでに5万人を超え、第82空挺師団の空挺兵約2千人、海兵隊員約5千人のほか、空母打撃群2個、10隻以上の駆逐艦、多数の作戦機が含まれているという。

米当局者2人によると、攻撃が再開された場合、米軍は新たな作戦名として「スレッジハンマー作戦」を使用する可能性がある。米側はすでに「壮絶な怒り作戦」は終了したとしている。

アメリカ法では、大統領は軍事行動の開始から48時間以内に議会へ通知しなければならない。通知がない場合、部隊は60日以内に作戦地域から撤退するか、議会の承認を得る必要がある。

「壮絶な怒り作戦」は40日間続いた後、停止した。仮に再開時に新たな作戦名が使われれば、60日間の期限が改めて起算されることになる。

現時点で、トランプ氏は軍事行動の再開を命じていない。一方で、ホルムズ海峡の通航確保を含む複数の選択肢を検討しているという。

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