ウクライナ情勢 極限化する無人機戦争と見え隠れする和平への模索
防衛省・自衛隊は16日、Xにおいてウクライナ情勢に関する最新の動向を報告した。公表された資料は、戦闘が長期化する中で無人機(ドローン)への依存が極限まで高まっている戦況や、双方の膨大な人的被害、そして水面下で進む外交交渉の動きを浮き彫りにしている。本稿では、防衛省の公表資料に基づき、2026年2月16日時点のウクライナ情勢を概観し、今後の展望を分析する。
防衛省の報告によれば、2026年2月16日時点においても、ロシア軍はウクライナ東部および南部地域での攻勢を緩めていない。特にドネツク州のポクロウスク方面やザポリージャ州などの要衝では激しい攻防が続いており、ウクライナ軍参謀本部の発表では、2月16日までの過去24時間だけで前線における衝突が235件発生したとされる。
特筆すべきは、戦況がかつてない規模の「無人機(ドローン)戦争」へと変貌している点である。資料によれば、ウクライナのゼレンスキー大統領は「敵目標の80%以上が無人機によって破壊されている」とし、2025年だけで約82万の敵目標を無人機で破壊したと表明している。一方、ロシア側も2025年の1年間でウクライナに対し約5.5万機の自爆型無人機を発射したとの英国防省の分析があり、2026年1月だけでも6千機以上の無人機を投入するなど、物量による飽和攻撃を継続している。
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