2026年2月11日、ワシントンD.C.のホワイトハウスで開催された「石炭のチャンピオン」イベントで、ドナルド・トランプ米大統領が演説している(SAUL LOEB / AFP via Getty Images)

米イラン核協議に深刻な隔たり トランプが再び警告

米イラン関係が緊迫する中、イランのアラグチ外相は12日、アメリカとの協議にイランの弾道ミサイル計画は含まれないとの立場を明らかにした。一方、トランプ米大統領はイラン当局に対し、改めて警告を発した。

12日、イスラエルのネタニヤフ首相はアメリカを訪問し、トランプ大統領と会談した。

会談後、トランプ氏は自身のトゥルース・ソーシャルに投稿し、ネタニヤフ氏との会談は「非常に良い」としたうえで、ガザや中東全体の和平プロセスの大きな進展についても協議したと明らかにした。

投稿では「私はイランとの協議を継続し、合意が成立するかどうかを見極めるべきだと強く主張した以外に、今回はいかなる最終的な結論も出ていない。合意が可能であれば、それが望ましい選択であることを首相に伝えた。合意に至らなければ、その結果を見極めることになる」としている。

さらに、「前回、イランは合意を結ばない方が得策だと判断したが、その結果ミッドナイト・ハンマー作戦による攻撃を受けた。彼らにとって芳しい結果ではなかった。今回はより理性的かつ責任ある対応を望む」と述べ、イラン当局に警告を発した。

ネタニヤフ氏はアメリカに、イラン核協議の対象範囲を拡大するよう求めるとみられている。具体的には、核開発計画に加え、イラン当局のミサイル兵器庫の制限や、その他の安全保障上の脅威の排除までをも含めるべきだとの立場である。

同日、テヘランで1979年イラン革命の記念集会が開かれた。アラグチ外相は米イラン核協議について改めて強硬な姿勢を示した。

アラグチ氏は「われわれのミサイルに対していかなる行動も許さない。ミサイル計画は交渉の対象ではなく、今後も含まれることはない」と述べた。

トランプ氏はこれに先立ち、米FOXビジネスのインタビューで、イランはアメリカとの核合意を望んでいるとの認識を示している。

トランプ氏は「ご存知のとおり、大規模な艦隊がイランに向かっている。今後の展開を中止しよう。彼らは合意を望んでいると思う。交渉を拒めば愚かなことだ。前回われわれは彼らの核施設を破壊した。今回さらに強硬な措置を取るかどうかは、今後の推移次第だ」と述べた。

アメリカは空母「リンカーン」や多数の軍艦などを中東に展開している中、イランの安全保障担当高官は10日、オマーンを訪問した。オマーンは米イラン核協議の仲介役の一つとされ、アメリカによる軍事行動の回避を目指している。

関連記事
トランプ大統領はイランとの覚書締結について、軍事衝突による世界経済危機を回避するためと説明。強硬派の批判に反論し、合意は実質的な「無条件降伏」と主張した
ホワイトハウスは、実務調整の遅れからヴァンス副大統領のスイス訪問を延期すると発表した。トランプ大統領らが署名した暫定合意(MOU)に基づき、海上封鎖は解除されたものの、今後の核交渉の先行きは不透明だ
イラン戦争の予備的和平合意を徹底検証。オバマ時代の融和策とは一線を画し、圧倒的な軍事力でイランの核野望を挫いたトランプ政権の成果を解説する。国内外の的外れも含む様々な批判を退け、真の中東情勢の地殻変動に迫る
副大統領は、時期はイラン当局者がいつ出席できるかに一部依存すると述べた。軍事封鎖解除の一方で、イランの出方を見極める米国の姿勢が焦点だ
イラン戦争と和平合意をめぐる混乱の中、著名軍事史家のビクター・デイビス・ハンソン氏は、トランプ政権の対応に対する批判にはいくつかの誤解があると指摘した