戦略核兵器を搭載可能な新型大陸間弾道ミサイルDF5Cが、2025年9月3日、北京の天安門広場で行われた軍事パレードで初めて公開された(Kevin Frayer/Getty Images)

中共の秘密核実験と核交渉 習近平の計算

2026年2月、スイス・ジュネーブで開かれた国連軍縮会議において、中国共産党(中共)が2020年6月に秘密裏に核実験を行っていたとの情報が明らかになった。専門家からは、アメリカ、中国、ロシアは新たな核兵器管理条約を策定すべきだとの声が上がっている。では、いかにして中共を核交渉の枠組みに参加させ、中共の軍事的野心を抑制するのか。新唐人記者のティファニー・マイヤー氏は、ワシントンを拠点とする国際戦略研究協会のグレゴリー・コプリ主席に、その分析を聞いた。

マイヤー氏

再び番組にお越しいただきありがとうございます。

コプリ氏

招待に感謝する。

マイヤー氏

アメリカは、中共が2020年に秘密の核実験を行ったと指摘している。また、アメリカとロシアの新戦略兵器削減条約はすでに期限を迎えている。中共による秘密の核実験について、どのように見ているか

コプリ氏

中共は核兵器の実験だけでなく、ミサイルの配備や新たな運搬システムの試験も進めている。これには極超音速システムや部分軌道爆撃システムが含まれる。これらは極めて低い軌道で地球を周回できるシステムである。中共はこうしたことを繰り返してきた。忘れてはいけないのは、中共がこれまでこの種の条約による拘束を一切受けていなかったことである。

これらの条約は冷戦期にアメリカとソ連(ロシア)が締結したもので、中共は事実上、意図的に排除され条約の枠外に置かれてきた。今回期限を迎えた新戦略兵器削減条約も、オバマ元大統領とソ連崩壊後のロシアとの間で結ばれたものだ。当時、中共は交渉対象に含まれていなかった。その結果、この条約はアメリカとロシアの選択肢を制限した一方で、中共には何の制約も課していない。

マイヤー氏

では、どうすれば中共を新たな条約交渉に参加させるのか。それを実現させるには、どのような国際的圧力が必要なのか。

コプリ氏

現在、我々は中共に交渉を迫る上で非常に有利な立場にある。もし、中国を仲間に含めることが本当に重要だと言うならね。実際に、習近平は権力の維持が極めて厳しい状況に置かれている。彼個人としては、トランプ大統領に対して譲歩するか、少なくとも譲歩する姿勢を示すことで、アメリカの圧力を和らげたいと考えているはずだ。それは核問題に限らず、経済協定や関税問題なども含まれる。そうすることで、「息つく暇」を得たい考えだろう。

マイヤー氏

この点に関連し、先週、中共はロシアのプーチン大統領、トランプ米大統領とそれぞれ電話会談を行った。それについてどう思うのか。特に習近平とトランプ氏の通話について、どのような影響が考えられるか。

コプリ氏

習近平とトランプ大統領の通話、あるいは電話会議では、多くの議題が話し合われたと思っている。具体的な内容はすべて表に出ることはないだろうが、核兵器制限はその一つだったはずだ。習近平にとって、この問題は現在、比較的譲歩しやすい分野である。なぜなら、彼にはそれ以上に深刻な問題が山積しているからだ。彼はただ、「トランプ氏は自分の味方だ、私を支持している」という印象を作り出し、自分が依然として中共唯一の指導者であることを示しているだけだ。

現在、中共内部では長老、改革派、軍のいずれからも退陣を求められ、圧力が強まっている。この電話会談では、新戦略兵器削減条約後の枠組みについて、少なくとも一定の言及があったと考えられる。また、台湾問題に触れた可能性もある。習近平は、台湾が現時点で優先事項ではないと保証したと考えられる。もちろん、国内の不満をそらすためにいつでも台湾カードを切ることはできるが、今の彼が実際に動くとは考えにくい。今の中共軍隊が、そんな作戦にゴーサインを出すとは思えないからだ。とにかく、情勢は極めが複雑だ。

マイヤー氏

本日は貴重な見解を聞かせていただきありがとうございました。

関連記事
「引退しても逃げられない」 中国共産党政権では近年、退職から18年を経た高官を摘発する事例も出ている。米紙は、習近平の反腐敗運動が汚職摘発から「忠誠心を試す粛清」へ変質していると報じている
中国当局が昆明で米国籍のミャンマー人学者を拘束。米大使館は渡航リスクを連日警告し、恣意的拘束や出国制限、二重国籍不認可による領事支援の制約に注意を呼びかけた
中国共産党の重要会議で「習近平党建思想」を初めて明示。一方で幹部の発言構成や役割分担に「異例」との指摘も。党内の力学変化をめぐり観測が広がっている
トランプ氏の発言に翻弄され、平壌へ駆けつけた習近平。その裏には、北朝鮮の核暴走が招く「日本の核武装」への強い恐怖があった。さらに原潜建造に動く韓国には沈黙せざるを得ない、中国の脆い外交実態を暴く
EUの情報機関は、中国がロシア軍兵士数百人を国内で訓練し、一部がウクライナ侵攻の前線に投入されたと確認した。ドローンや電子戦などが含まれ、EUは15日の外相会議で議題とする見通し