中南海の正門である新華門(Noel Celis / AFP)

中国で進む「裸官」対応の強化とその背景

「裸官(家族や資産を海外に移して、政府に勤務する官僚)」と呼ばれる高官を対象とした粛清が、水面下で静かに進行している。その影響は、中共の政治構造そのものを揺るがしかねない深刻なものだ。米シンクタンク、ジャムズタウン財団は、北京による「裸官」粛清がすでに第3段階に入ったと指摘している。対象となる官僚には、「家族を即時帰国させる」か「辞職して職を退く」かという、二者択一が突き付けられているという。

2025年下半期に入って以降、北京の政界では異例ともいえる人事の動きが相次いでいる。副部長級以上の高官、全国政治協商会議(政協)常務委員、さらには重点大学の学長らが、相次いで「職を離れた」。

これらの人物はいずれも定年に達しておらず、公開された汚職調査の対象にもなっていない。しかし、共通点が一つある。配偶者や子供が長期間にわたり海外で生活している、いわゆる「裸官」であることだ。

▶ 続きを読む
関連記事
台湾の著名司会者・蔡康永氏が民進党候補の選挙集会に出席したことで、中国での広告やインタビュー記事、番組が相次いで削除された。元産経台北支局長矢板明夫氏は、中国で稼ぐことは「悪魔から小遣いをもらうようなものだ」と指摘
中国共産党がチベットでドローンや顔認識、AIを組み合わせた監視体制を拡大している。法輪功学習者への監視や、生体認証・予測型警務、海外への統治手法の広がりも報告されている
習近平の健康状態をめぐり再び注目が集まっている。米メディアは、訪米時に中国側が5時間の休憩時間や専用休憩室を求め、歩行距離や立っていられる時間まで考慮して日程を組んだと報じた
習近平の9月の訪米で、中国側がホワイトハウス内の専用休憩室を要請し、日程には約5時間の空きが設けられたと米紙が報道。健康状態への関心が再び高まっている
中国共産党では第21回党大会に向けた人事が動き始めている。高級幹部の高齢化と世代の断層を背景に、1970年代生まれの幹部が中央委員会にどこまで進出するのか。習近平体制の人事と有力候補を分析