(大紀元)

「聴会」 身体が本来持つ癒やしの力 止まない耳鳴りや歯痛に

耳鳴りや歯の痛みは、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。しかも、こうした症状が出たときに限って、適切な薬が手元にないこともあります。しかし、実は私たちの体そのものが、強力な治療法となり得ます。

耳の近くにある「聴会(ちょうえ)」(胆経のツボ:GB2)は、指圧を通じて不快な症状を和らげる助けになります。この自然療法は、特に加齢により聴力が低下している高齢者にとって、有効な手段となります。

 

聴会(ちょうえ)の効果

◆ 耳鳴りの軽減

聴会のツボは、耳のリセットボタンのような働きをします。特に、常に耳の中で音が鳴っている「耳鳴り(じめい)」に悩まされている人にとって有効です。このツボを刺激することで、耳鳴りを軽減し、聴覚に平穏をもたらすことができます。

◆ 聴力の向上

年齢とともに聴力が低下することで、生活の質が下がってしまうことがあります。聴会は耳のすぐ近くに位置し、聴力の改善に働きかけます。これは、身体を傷つけない方法として、高齢者にとって特に役立ちます。

◆ 歯の痛みの緩和

聴会は耳だけでなく、顎に近い位置にあるため、歯の痛みにも効果があります。このツボを刺激することで、歯の痛みも抑えることができるため、耳と歯の両方の健康を支える万能なポイントと言えます。

 

古来の知識と現代科学の融合

◆ 中医学の視点

中国伝統医学では、ツボの名前はその機能や位置を表しています。「聴(ちょう)」は「聞くこと」、「会(え)」は「会う、集まる」という意味です。つまり、「聴会」は耳の不調に対して使われるツボであることが名前からも分かります。また顎のそばにあることから、歯の痛みの改善にも使われます。

◆ 西洋医学の研究との融合

最近の研究では、GB2(聴会)への鍼治療が様々な効果をもたらすことが分かってきています。耳鳴りに対する106件の鍼灸治療に関する包括的レビューでは、聴会を含む耳のツボへの鍼が、耳鳴りの軽減に明確な効果を示しているとされています。

さらに、慢性的な耳鳴りを抱える肥満の患者に対する研究では、鍼治療によって耳鳴りの重症度が大きく改善され、「悪玉コレステロール(LDL)」や中性脂肪の値が8週間で減少したと報告されています。これは、聴会が耳の症状だけでなく、心血管系にも良い影響を与える可能性を示しています。

また、「口腔灼熱症候群(Burning Mouth Syndrome)」に対して、聴会を含む鍼治療と薬(クロナゼパム)を比較した研究では、どちらも痛みや生活の質に改善が見られ、大きな差はありませんでした。つまり、聴会などへの鍼治療は、慢性の痛みを管理する上で、有効な代替手段といえます。

 

聴会の見つけ方と刺激法

聴会の場所は簡単に見つけられます。まず耳の外側にある「耳珠(じじゅ)」を探してください。口を開けると、耳珠の前のあたりで顎が動く場所がわかると思います。そこを押すとくぼみを感じるはずです。それが聴会のツボです。

このツボは、以下のような簡単な方法で刺激できます:

マッサージ:口を開けた状態で、親指を使ってツボを小さな円を描くように1〜3分間やさしくマッサージします(左右それぞれ)。

押して緩める:口を閉じた状態で、ツボを3〜5秒しっかり押し、3秒休み、これを1〜3分繰り返します(左右ともに)。

こする:口を閉じたまま、上下にこするようにツボを1〜3分刺激します(左右ともに)。

より高度な方法である鍼灸やお灸(もぐさを使った温熱療法)を行いたい場合は、専門の中医学の施術者に相談することをおすすめします。

注意が必要な方へ

耳の周辺に傷や炎症がある場合は、症状を悪化させないよう、慎重に行ってください。

 

積極的なセルフケアを

問題が起こる前から、日頃のケアを心がけることが大切です。騒音の多い現代社会においては、予防的なケアが聴力を長く保つカギとなります。聴会へ指圧するような自然な方法は、耳の健康を維持するための、費用もかからないセルフケアの一環として非常に役立ちます。

聴会の効果を実感し、自然で効果的な方法で聴力を高め、痛みを軽減する道を歩んでみてください。

※本記事の内容は筆者の見解であり、「エポックタイムズ」の公式な意見を反映するものではありません。

(翻訳編集 井田千景)

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