CCTVの映像では、「焼身自殺した」とされた男性の王進東が炎に包まれながらも動かず座禅を組み、スローガンを叫んでいた。彼は全身に深刻な火傷を負っていたはずだが、最も燃えやすい髪の毛は無傷で、両脚の間に挟んでいたガソリンを入れるためのプラスチックボトルも溶けずに残っていた(新唐人テレビのスクリーンショット)

中共当局によるヤラセ番組 法輪功学習者を装った天安門焼身自殺事件 

25年前の旧暦大晦日、中国・天安門広場で「法輪功学習者」を名乗る5人が、前代未聞の「焼身自殺」事件を起こしたと報じられた。

しかし、その後に明らかになった数々の証拠や分析によって、この事件は中国共産党(中共)が綿密に仕組んだ政治的な偽装事件であると多方面から認定された。25年が経過した今も、この「天安門焼身自殺事件」は単なる過去の事件ではなく、中共体制の統治論理を理解する上での重要な窓口となっている。

それは、法輪功へののでっち上げにとどまらず、政権がいかに虚偽を捏造し、憎悪を煽り、そこから迫害へとつなげていくのかについて、その全過程を浮き彫りにしている。

2001年1月23日、旧暦大晦日に中国全土の家庭が灯籠を吊るし春聯を貼って新年を迎える中、天安門広場で5人が「焼身自殺」する事件が発生し、1人が現場で死亡した。中共の官製メディアはこの事件について、焼身自殺者は法輪功学習者だと断定的に報じた。

その直後、中央テレビ(CCTV)の番組「焦点訪談」が特集を放映し、繰り返し流された映像によって恐怖と衝撃が瞬く間に中国全土へ広がった。しかし、この事件は発生当初から多くの疑問点が指摘されていた。事件の2週間後、ワシントン・ポストの記者が「焼身自殺した」とされた女性の劉春玲の出身地を取材していたところ、複数の近隣住民が「彼女らが法輪功を修煉しているのを見たことがない」と証言した。

人権監視団体は、北京では外国人記者が独立した情報を入手したり、被害者や家族に接触したりすることがほぼ不可能であり、情報は中共によって完全に統制されていると指摘した。

CCTVは、近距離で撮影された映像の一部はCNNの提供によるものだと主張したが、CNNは即座にこれを否定した。現場での撮影機材は現地警察に押収されており、その映像は同局が撮影したものではないと説明した。

多くの中国市民もCCTVの映像について疑念を抱いたという。

中国国有企業の元職員 黄さん「私はあまり信じなかった。そのようなことはあり得ないと思った。天安門にはガソリンのようなものを持ち込むことは非常に難しいし、知り合いの法輪功学習者が現場に着いた瞬間にすぐ捕まって連れ戻されたこともあった」

退職した元公務員 羅さん「全て虚構だ。常識で、論理的に考えて、それがフェイクだと分かる。私がそう言うと、誰一人として反論する人はいなかった」

CCTVの映像では、「焼身自殺した」とされた男性の王進東が炎に包まれながらも動かず座禅を組み、スローガンを叫んでいた。彼は全身に深刻な火傷を負っていたはずだが、最も燃えやすい髪の毛は無傷で、両脚の間に挟んでいたガソリンを入れるためのプラスチックボトルも溶けずに残っていた。

台湾国際臓器移植を考える協会 副理事長兼スポークマン 黄千峯医師は次のように述べている。

「天安門焼身自殺偽装事件から25年が経ったが、今も明確な疑点を指摘できる。医療の観点から言えば、火災発生時にすぐに救急車が駆けつけたと報じられたが、積水潭病院の医療スタッフによると、実際に救急車が到着したのは2時間後だった。つまり、時系列が一致しておらず、事前に収録された映像である可能性が高いと考えられる」

さらに決定的な不自然な点が、12歳の少女・劉思影への長時間のCCTVによるインタビューであった。彼女は気管切開手術を受けてからわずか4日後にもかかわらず、澄んだ声で話し、歌まで歌っていた。

黄千峯氏は次のように述べている。

「まず、広範囲に火傷を負った患者は無菌保護環境下に置かれるのが医療の基本だ。にもかかわらず、取材記者が長時間接触しても隔離措置を取らなかったのは不自然だ。さらに医学的には、気管切開直後に明瞭に話すことはほぼ不可能であり、まして歌うことなどあり得ない」

中国本土の元消防士 沈さんは次のように述べている。

「私の仲間には、消火活動中に全身の7〜8割に火傷を負った者がいた。彼は上海の瑞金医院で3か月以上、無菌の完全密閉環境で救命治療を受けたうえで回復した。そのため、私はテレビの映像が捏造だと分かった。彼(仲間)は包帯が全くなく、ずっとその広々とした場所に横たわっていた。退院後も声帯が損傷しており、一言も話せなくなっていた」

2001年8月14日、国際教育発展組織(IED)は国連の会議で中共の「国家テロリズム行為」を強く非難し、この「天安門焼身自殺事件」は法輪功への濡れ衣を着させるために、中共が自ら仕組んだものだと指摘した。

新唐人テレビが制作したドキュメンタリー「焼身自殺?それともやらせ?」は、スローモーション解析によって映像の多くが捏造されたものであることを明らかにし、2003年には第51回コロンバス国際映画・テレビ祭で栄誉賞を受賞した。

専門家らは、この偽装事件が当時の中共の政治的ニーズに極めて合致していたと分析している。1999年7月、江沢民政権が法輪功への全面的な迫害を開始してから18か月が経過しても、法輪功学習者を沈黙させることはできず、むしろ国内外で批判が高まっていた。そのため、中共には認知戦の一環として、迫害を「正当化」する事件が必要だったのである。

市民の羅さんは次のように述べている。

「中共は法輪功を抑え込み、『邪教』だと決めつけようとしたのだ。これがどうして邪教なのでしょう。中共自身の部隊の中で、少将クラスの軍人までが法輪功を信じて、修煉している。よく考えてみてください」

台湾・国防安全研究院の研究員・沈明室氏は次のように語る。

「法輪功は本来、平和的で純粋に心身を鍛える修煉だ。一方、中共は本質的に暴力と欺瞞の体制だ。脅威と見なした相手には、あらゆる手段を取ります。まず取り込み、次に弾圧する。証拠がなければ、捏造したり、でっち上げたりして関連する証拠を作り出し、組織的に弾圧を加えるのです。身体的な被害だけでなく、心理的な面からも迫害し、人格そのものを破壊しようとする」

数々の不合理な点があるにもかかわらず、極めて凄惨で荒唐無稽な映像が放送されると、一部の市民は理性を失うほどの激しい憤りを覚えた。中共官製メディアは法輪功を「糾弾」する人々の映像を相次いで流した。

黄千峯氏は次のように述べた。

「中共が自作自演した焼身自殺事に加え、大規模な宣伝を行ったことで、中国全土の人々に憎悪の感情が植え付けられた。迫害対象の『名誉を失墜させ」、世論で悪魔化する。これは中共がこれまで行ってきた迫害・殺人運動と同じ手法だ。憎悪を植え付け、その後に暴力的な殲滅手段を持ち込むというやり方だ」

焼身自殺偽装事件以降、迫害は全面的にエスカレートした。違法拘禁、拷問、長期収監が相次ぎ、法輪功学習者からの臓器強制摘出疑惑も次第に明るみに出た。

米国在住の時事評論家・藍述氏は次のように述べた。

「捏造された焼身自殺を偽の証拠として用い、法輪功を残酷に迫害した。法輪功学習者は武器を持たず、中国の伝統文化の核心である『真・善・忍』を信じる人たちだ。中共政権に敵意など全くありません。それにもかかわらず、この事件は中共の極めて暗く、虚偽に満ちた残虐な本質を露わにしたのだ」

虚偽の証拠が迫害の起点となり、嘘が弾圧の装置として機能し、やがてその弾圧は社会全体に跳ね返る。

藍述氏はまた「天安門焼身自殺偽装事件は、中共が歴史の中で繰り返してきた数多の嘘の典型的な事例だ。政権が『真・善・忍』の対極に立つとき、最初に崩壊するのは自らの道徳の基盤だ。その結果、官僚腐敗と社会倫理の急速な劣化を招く。さらに危険なのは、中共が国際的影響力を広げるにつれ、この道徳崩壊が世界へと輸出されつつあることだ」と指摘した。

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