高市首相 「欧州重要原材料センター」創設歓迎 日本のJOGMECがモデルに
高市早苗首相は12月8日、自身のXアカウントで、欧州委員会が2025年初めに設立を予定する「欧州重要原材料センター」について、日本のJOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)をモデルとして採用したとの発表を歓迎する投稿を行った。首相は、欧州委が日本の取り組みを高く評価した背景に、2024年に公表されたドラギ・レポートがあったと説明。日本の重要鉱物確保への政策が国際的に注目を集めてきたことを強調した。
欧州委員会は2024年に公表されたドラギ・レポートを踏まえ、重要鉱物の備蓄や調達多角化に成功した日本の政策に注目してきた。ドラギ・レポート(The Draghi Report)は、欧州中央銀行(ECB)元総裁のマリオ・ドラギ氏が、欧州委員会の要請を受けて2024年にまとめた報告書「The Future of European Competitiveness(欧州の競争力の未来)」の通称。EU経済が急速な技術革新、地政学リスク、サプライチェーンの分断などに直面する中、「欧州が今後も競争力を維持・強化するための包括的戦略」を提示することを目的とした提言書で、資源戦略の分野で日本の枠組みをモデルケースとして高く評価していた。
欧州委員会が新センターを立ち上げる背景には、レアアースや重要鉱物の供給リスクの高まりがある。特に電気自動車、デジタル機器、再生可能エネルギーなどの産業では、レアアースやリチウム、ニッケルなどの安定的調達が不可欠だ。一方、特定国への過度な依存が続く欧州では、サプライチェーンの脆弱性が顕著になっており、資源外交・国際連携に強みを持つJOGMECの活動が参考にされたとみられる。
関連記事
高市総理は各国首脳に年末年始のグリーティングカードを送ったことをSNSで報告した。国内で圧倒的な支持率を維持する高市外交の第2章が幕を開ける
25日の会合で、高市総理は日中間の戦略的互恵関係の推進と対話継続の重要性に言及,。国益保護の姿勢を示し、APEC首脳会議や早期訪米を通じた今後の首脳外交の調整状況について説明した
台湾を訪問している自民党の河野太郎元外相らが26日、頼清徳総統と会談した。河野氏の訪中は11年ぶり。
木原官房長官は26日、米議会の対日攻勢を強める中共政権を非難する決議案の提出について「歓迎する」と表明。決議案は、中共が日本に対して行っている経済的、軍事的、外交的な威圧行為を非難し、緊張緩和に努めてきた日本の姿勢を評価している。
頼清徳総統は、訪台した日本の国会議員団と会談し、サプライチェーンのリスクや経済安全保障を巡り、日台の連携を一層深める必要性を強調した。