バナナはとても一般的で人気のある果物です。価格も手ごろなため、つい多めに購入してしまうこともあるでしょう。食べきれなかった場合は、スライスして冷凍保存したり、バナナアイスにしたりする人もいます。ある専門家によると、スライスしたバナナに「あるもの」を加えてから冷蔵すると、鮮度を数日間延ばすことができるそうです。
イギリスの「デイリー・エクスプレス」紙によると、バナナは一度熟すと常温では通常2~5日ほどしかもちません。そのため、房ごと購入した場合はすぐに食べきる必要があります。そうでなければ、保存期間を延ばす工夫が必要です。
バナナはスライスするとすぐに茶色に変色してしまうため、基本的には食べる直前に切るのが望ましいとされています。しかし、最後に少しだけ残ってしまったときなどは、食品の専門家によると、スライスしたバナナにレモン果汁を少量塗ることで、変色を防ぎ、新鮮さを保つことができるそうです。
バナナが切るとすぐに茶色くなるのは、「ポリフェノールオキシダーゼ」という天然酵素が空気中の酸素と反応するためです。しかし、レモン果汁を使うことでこの反応を抑えることができます。
レモン果汁に含まれるクエン酸は、バナナのpH値(酸性度)を下げる働きがあり、これによって褐色化の原因となる酵素の活動を抑える環境が作られます。さらに、クエン酸がバナナの表面に酸性のバリアを形成し、酸素がポリフェノールオキシダーゼと接触するのを防ぐことも、変色防止につながります。
イギリスの食品会社「Food Republic(フード・リパブリック)」の専門家はこう述べています。「バナナが茶色くなり始めるのは、果肉が空気に触れる準備段階からです。こうした色の変化は科学的には『酵素的褐変』と呼ばれ、果物内部の酵素が酸素と反応することで起こります。リンゴやモモなど、他の果物でも同じ反応が見られます」

専門家はさらにこう続けています。「この褐変を早く進行させないためには、酵素と空気の反応を遮断することが重要です。最も広く使われ、効果的とされる方法のひとつが、果物にレモン果汁を塗ることです。これにより果物のpH値が変化し、酵素が褐色化を引き起こす働きが抑えられます」
専門家によると、スライスしたバナナに少量のレモン果汁を塗り、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存すると、最大で4日間新鮮さを保てるとのことです。
アメリカの雑誌『Real Simple』のフードライター、フィービー・フライ氏も同様の方法を推奨しています。彼女は、「レモン果汁を塗ったバナナスライスは、ラップで包むか、密閉式の食品保存容器または保存袋に入れて冷蔵庫で保管します。 この方法で、3~4日間鮮度を保つことができます」と述べています。
ただし、彼女は次の点についても注意を促しています。「バナナを冷蔵保存することは可能ですが、冷蔵庫の低温と乾燥した環境はバナナの熟成プロセスを遅らせます。そのため、まだ熟していない青いバナナを冷蔵すると、そのまま熟さず、食べ頃を逃してしまう可能性があります」
つまり、早すぎる段階でバナナを冷蔵庫に入れてしまうと、「低温障害」が起こり、熟成が止まって苦味が強くなるということです。
バナナはカリウム・食物繊維・ビタミン・抗酸化物質を豊富に含んでおり、栄養価が高く、がん・心血管疾患・記憶力低下の予防、さらには不安やうつの緩和にも効果があるとされています。しかし、2つのタイプの方々には注意が必要です。それは、腎臓疾患のある方と糖尿病の方です。
バナナにはカリウムが豊富に含まれているため、急性・慢性腎炎や腎機能低下などの腎臓病を患っている方が過剰に摂取すると、カリウム代謝に異常が生じ、筋力低下・倦怠感・心拍の低下などの症状が現れる可能性があります。したがって、こうした方々は摂取を控えるべきです。
また、バナナには糖分も多く含まれているため、糖尿病の方は摂取量に注意する必要があります。
(翻訳編集 解問)
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