(shutterstock)

蓮根ハンバーグで秋の潤い養生 美肌と心脳のケアにも

秋分を境に、空気の乾燥が強まりはじめます。やわらかくジューシーな「蓮根入りハンバーグ」が潤いを与えて肺を養い、血液の流れを整え、美肌効果も期待できます。さらに心臓や脳の血管にもやさしく働きかけ、心臓や脳の血管にもしっかりと寄り添い、サポートしてくれます。

 

秋分の気候――乾燥の中に冷えが潜む

秋分を迎える頃は、陽気が収まり、空気は冷たく乾燥してきます。そのため、体内の津液(潤い)が不足し、喉の渇きや咳、肌のつっぱり、イライラなどが起こりやすくなります。さらに昼夜の寒暖差が大きくなることで、心臓や脳の血管に負担がかかりやすく、血圧が乱れやすいのも特徴です。

この時期の養生は、ただ乾燥を潤すだけでなく、血流をスムーズにして心身を整えることが大切です。

 

蓮根:潤燥活血、美肌と心の健康を守る

スライスしたレンコン(Shutterstock)

蓮根は古くから「霊根」と呼ばれてきました。味は甘くて癖がなく、肺を潤して津液を生み、秋の乾燥を和らげる働きがあります。また、血管に入って瘀血を散らし、血流を促進する作用もあります。気血が通じれば、秋の乾燥による胸のつかえやイライラが軽減され、心臓や脳の血管への負担も和らぎ、血圧の変動リスクを抑えることにつながります。

女性にとっては、血の巡りを整えて瘀血を防ぎ、生理痛を軽くする助けとなり、さらに血行が良くなることで老廃物が滞らず、肌の色つやも明るくなります。まさに、蓮根は「潤いを与えて美を養い、心を安らげて血管を守る」自然の恵みといえるでしょう。

 

お肉と合わせて気血を補う

蓮根だけを食べてしまうと、やや寒さに傾きます。そこで豚肉や牛肉を合わせた合い挽き肉を使えば、脾胃を補い、気血を満たし、秋の冷えで消耗しやすいエネルギーを取り戻すことができます。

蓮根をすりおろして練り込むと、でんぷんやパン粉の代わりになり、肉だねはよりなめらかで柔らかく仕上がります。自然な甘みが加わり、砂糖や添加物を加える必要もなく、口当たりは滑らかで軽やか。体に負担をかけずに楽しめます。

さらに、しょうがや胡椒を加えることで味に深みが出るだけでなく、胃腸を温めて冷えを追い出し、脾を守りつつバランスよく整えてくれます。こうして、滋陰の効果を保ちながらも過度に冷やさず、ちょうどよい調和を生み出す一品となります。

 

レシピ:蓮根入りハンバーグ

材料(3〜4人分)

  • 蓮根……300g
  • 合いびき肉(豚・牛)……400g
  • 生姜のみじん切り……少々
  • 塩……適量
  • 黒こしょう……少々
  • オリーブオイルまたはごま油……少々

作り方

  1. 蓮根は皮をむき、細かくすりおろす。

     
  2. 合いびき肉・生姜・調味料を加え、同じ方向に練り混ぜて粘りが出るまでよくこねる。

     
  3. 小判型に丸めて軽く押さえ、ハンバーグの形に整える。

     
  4. フライパンに油を熱し、中火で両面がこんがり色づくまで焼き、中心まで火を通す。

     

おすすめの方

秋の乾燥で喉が渇きやすい方、咳が出やすい方、血行が滞りやすい方、肌の乾燥が気になる方、月経不順の女性、また秋の冷えで心臓や血管に負担がかかりやすい方におすすめです。なお、糖尿病の方でも安心して食べられます。

関連記事
冬の冷えで不調を感じやすい季節に。中医学の考え方から、腎を温め心と脳を守る「にらラーメン」を解説。身近な食材でできる、冬の養生をやさしく学べる一編です。
冬になると腰や膝が冷え、関節が動かしにくくなる――。中医学では、こうした不調は体の内側の冷えと関係すると考えられています。かぼちゃと小豆の「いとこ煮」は、巡りを整える養生食として親しまれてきました。
冬は気分の落ち込みや筋骨の弱りを感じやすい季節。チンゲン菜・しいたけ・厚揚げを組み合わせ、肝の滞りをほどき腎を養う冬向きの養生料理を紹介します。
冬は血管が最も詰まりやすい季節。中医学では「寒すれば血は凝る」とされ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。そんな冬の心脈を守る鍵が、りんごとサンザシ。自然の力で「温めて通す」養生法を紹介します。
腎を補う前に――まず胃腸を整える 冬は「水の季節」とされ、体の中では「腎」に関係が深い時期です。ですから冬にな […]