国際宇宙ステーション(ISS)で紛失していた2個のトマトが最近発見され、話題を呼んでいます。米国航空宇宙局(NASA)の資料映像より。(NASA TV/AFP)

国際宇宙ステーションで紛失していたトマト、約1年ぶりに発見 写真も公開

宇宙空間において、ISSで収穫された完熟トマトほど貴重なものはないかもしれません。アメリカの宇宙飛行士フランク・ルビオさんは、ISSで実施された宇宙栽培実験中に育てた2個のトマトを誤って紛失し、「勝手に食べたのではないか」と疑われたことに困惑していました。しかし、約1年後にそのトマトが発見され、NASAが関連する写真と映像を公開しました。

宇宙飛行士たちはISSに数か月滞在し、基本的に事前に包装された保存食で生活しています。そのため、宇宙ステーション内で新鮮な野菜を育てることは、将来の月や火星探査に向けた重要な研究の一環とされています。

NASAの宇宙飛行士であるルビオさんは、2022年に「XROOTS(エックスルーツ:暴露根在軌測試系統)」という実験を開始しました。この実験では、水耕栽培やエアロポニックス(気耕栽培:空気中で植物を育てる方法)といった、土や他の培地を使わない栽培技術が用いられています。目的は、今後の宇宙探査に適した植物栽培システムの最適化です。

▶ 続きを読む
関連記事
星間彗星3I/ATLASが近日点通過時、軌道が相対論では説明できない異常を示した。科学界では人工的制御の可能性も議論されている。
太陽フレアの温度は従来の推定より最大6.5倍も高い可能性があるとの最新研究。半世紀の謎に迫る発見とは?
火星と木星の間にある準惑星ケレス。NASA科学者は「水と生命が存在する可能性がある」と指摘。その最新の発見に迫ります。
天文学者が発見した「銀河核極限突発現象」は、史上最大級の爆発。超新星の25倍のエネルギーを放ち、宇宙の成り立ちやブラックホール成長の謎に迫ります。
流星雨の予測困難の理由が判明。惑星の重力よりも、太陽と惑星の質量バランスで決まる「太陽系重心」の動きが軌道変化の主要因と分かりました。