イラスト(shutterstock)

貿易戦争の経済学

ドナルド・トランプ大統領が今週、中国に対して145%の関税、世界のその他の国々に対して10%の関税を課す方針を発表し、90日間の交渉期間を設けると発表したため、世界と金融市場は安堵のため息をついたようだ。

一般的な通念では、いかなる関税もマイナスであると考えられているが、現実はもっと微妙であり、必ずしも通念通りとは限らない。

教科書的な貿易経済学は、スコットランドの経済学者アダム・スミスが、スコットランドとポルトガルが羊毛とワインの相互利益貿易を行うという単純な理論モデルを用いたことから始まる。関税なしで貿易する方が、両国にとって利益になるというものだ。多くの経済学者は、国際貿易の利益を概念化する際に、この知的枠組みを活用してきた。

▶ 続きを読む
関連記事
中国で「VPNで海外サイトを閲覧するだけなら安全」という常識が崩れつつある。検閲を回避したこと自体を理由とした処罰や、数年前の履歴を遡る調査の実態、拡大する中国共産党のネット統制の闇に迫る
中国の債務はGDPの300%を超え、限界に達しつつある。だが、この経済減速は軍事的野心の縮小を意味しない。資源保有国であるカナダなどの西側諸国は、中国の台頭の盲信や中国崩壊という極端な見方を排し、戦略的備えが必要だ
AIは生活を変える一方、犯罪関与や依存、思考力低下など深刻なリスクも指摘される。フロリダ州の提訴を契機に、技術と人間の責任の境界が問われている
核不拡散に向けた米国の取り組みは、かつてない圧力と課題に直面している。インド太平洋地域における核の脅威の深刻化 […]
米最新鋭フォード級空母は電磁カタパルトなど新技術を一挙投入し、巨額費用と度重なる不具合という代償を払った。漸進的発展の原則を飛び越えた試みは、中国空母「福建」が抱える技術的リスクを映す鏡でもある