黄精長芋粥(おうせいさんやくがゆ)は、気陰両虚や脾腎不足タイプの糖尿病に適したレシピです(Shutterstock)
知恵の泉、中医学。食事で治す糖尿病。

血液中の水分不足が血糖値を上げる? 食事の調整で症状を改善

多くの人が、糖尿病で血糖値が高い場合、その解決策として、血糖値を下げる方法を考えます。一般的には、血糖を分解したり、糖分の摂取を減らす方法が知られていますが、これは西洋医学的なアプローチです。一方、中医学では血液中の水分を増やすことで、血糖の濃度を自然に下げるという考え方を取ります。糖分の量は同じでも、水が多ければ糖度が低くなるように、水分を補給することで血糖値が自然に下がるのです。

 

糖尿病患者に典型的な症状である喉の渇き、多飲、多尿がその証拠です。現代医学では血糖値の上昇が検査で確認されますが、体が感じる症状としては、喉の渇きや熱っぽさが非常に分かりやすいです。古代中医学では糖尿病を「消渇症」と呼び、体内の水分不足が原因で喉の渇きが生じると考えられていました。

では、なぜ水分を摂っても喉の渇きが改善しないのでしょうか?その理由は、脾胃(ひい:消化器系)の機能にあります。脾胃の機能が低下すると、水分を血液に取り込むことができず、どれだけ水を飲んでも体に吸収されません。その結果、多尿が続き、水分がさらに失われ、ますます喉の渇きを感じるという悪循環が生じます。

▶ 続きを読む
関連記事
初めての心不全・脳卒中の影に、実は99%以上が共通の4つの兆候を抱えていた――最新研究が示した「見逃しやすい危険信号」と、予防のために今すぐ見直すべき生活習慣をわかりやすく解説します。
苦味は消化を刺激し、胃酸・胆汁の分泌を高めて代謝をサポートします。GLP-1などのホルモンにも働きかけ、血糖の安定や食欲抑制にも効果が期待されます。腸内環境の改善にも有用とされる注目の習慣です。
デンマークの研究で、低炭水化物・高タンパク質食を続けた人は、体重が大きく減らなくても血中脂質が改善し、肝臓脂肪が減少しました。糖質制限が代謝を健やかに保つ可能性が示されました。
人気の糖尿病薬チルゼパチドに思わぬ落とし穴。視力を脅かす眼疾患リスクが2倍に?最新研究が示す意外な事実と注意点を解説します。
朝食を遅くとると糖尿病リスクが高まり、夕食を遅くとると脳卒中リスクが上昇。研究が明らかにした食事時間と病気の深い関係を解説します。