コーヒー好き必見! ベストな飲み方と健康効果11選

コーヒーには抗酸化物質であるクロロゲン酸とカフェストールが含まれており、これらは炎症を軽減し、心血管疾患やがんを予防するのに役立ちます。台湾の著名な乳がん専門医であり、「一杯のコーヒーで全ての病気を予防する」の著者である張慶堅医師が、コーヒーの健康効果とベストな飲み方について説明します。
 

コーヒーは11の健康状態に良い

コーヒーは以下の 11 の症状を改善したり、予防したりします。

1. 2型糖尿病

習慣的なコーヒー摂取と2型糖尿病のリスクを減らすことの間に強い相関関係があると研究で示されています。研究者たちは、コーヒーを定期的に飲むことで、ストレス段階で肝臓とベータ細胞の機能を保護できるので、糖尿病の発症前である慢性的な代謝リスクが減ると説明しています。

2. 高血圧

張医師によると、最初はコーヒーを飲むことで血圧が上がるかもしれませんが、習慣的な摂取により、実際には血圧は下がります。

2023年に発表された25の研究に基づく分析では、コーヒー摂取と高血圧リスクの間にはある負の関連が判明しました。研究では、1日に3~4杯のコーヒーを飲むことで、喫煙していない男性と女性の高血圧リスクは低下しましたが、喫煙者にはそのような関連は見られませんでした。

3. 心血管疾患

コーヒーは心血管の健康に有益です。「European Journal of Preventive Cardiology」が掲載した研究によると、12年半の追跡調査において、コーヒーを飲まない人と比較して、グラウンド(豆を挽いた)コーヒー、インスタントコーヒー、デカフェ(カフェイン除去)コーヒーを飲む人は心臓発作や脳卒中の発症率、全死因の死亡率が軽減しました。

特に1日に2~3杯のコーヒーを飲む人に最も大きな効果が見られました。さらに、グラウンドコーヒーとインスタントコーヒーの両方は不整脈のリスク低減に関連している一方、デカフェコーヒーにはそのような関連は見られませんでした。

4. 歯周病

歯周組織の慢性炎症は歯茎の退縮、歯槽骨の喪失、最終的には歯の喪失を引き起こします。システマティックレビューでは、日常的なコーヒー摂取が歯槽骨の喪失を防ぐ可能性が示されています。コーヒーにはカフェイン、クロロゲン酸、カフェ酸などの抗酸化作用や抗炎症作用の成分が含まれています。

さらに、クロロゲン酸は抗菌剤としても働き、歯周病の予防に寄与します。ただし、一部の研究ではコーヒー摂取と歯周病の間には負の相関も示されています。

研究者らは、コーヒーの複雑な成分により、定期的に適量飲むことは歯周病を良い方向に保つ可能性があると結論付けました。しかし、過剰摂取は悪影響を及ぼします。この研究では、1日2~5杯のコーヒー摂取は安全であるとされています。

1日2~5杯のコーヒー摂取は安全である(Shutterstock)

5. 痛風

コーヒーは、過剰な尿酸によって引き起こされる痛風の軽減に役立ちます。システマティックレビューでは、コーヒーが血清尿酸値を大幅に下げることがわかりました。具体的に値を下げるには、男性は毎日 2~3杯のコーヒーを、女性は 1 日に 5~6杯のコーヒーを飲む必要があります。レビューでは、適度なコーヒーの摂取は、男性と女性の両方において高尿酸血症と痛風の第一の予防戦略として役立つとわかりました。

 

6. 代謝性疾患

コーヒーに含まれるカフェインは新陳代謝を刺激します。研究では、カフェインは炎症や酸化ストレスに無害であり、様々な代謝性疾患のリスクを下げます。さらに、コーヒーによるカフェイン摂取は、新陳代謝、認知機能、身体能力、ホルモン調節に効果があります。

 

7. 肥満

「Nutrients」誌の研究では、コーヒーに含まれるバイオアクティブ化合物(カフェイン、クロロゲン酸、トリゴネリン、マグネシウムなど)が抗肥満の効果を示しています。研究者たちは、コーヒーを飲むことで、特に男性の肥満が減少すると指摘しています。コーヒーは体重管理に役立ちますが、バランスの取れた食事や運動をする方が重要です。コーヒーには慢性疾患に対する予防効果があるため、研究者たちは、健康促進のために、ライフスタイルの一部としてコーヒーを取り入れることを推奨しています。

 

8. 皮膚疾患

一部の人は、コーヒーは利尿作用があり、過剰摂取は皮膚を乾燥させると信じていますが、張医師はコーヒーの抗酸化物質が新陳代謝の循環を促進し、皮膚の健康に有益であると述べています。

5月に発表した研究では、様々な飲料の摂取と顔の老化との潜在的な因果関係を分析しました。その結果、コーヒーの摂取量が多いほど、この種の老化のリスクは軽減しました。別の研究では、カフェインがオートファジー(細胞のターンオーバー)を活性化することで、酸化ストレスによって引き起こされる皮膚の老化を防ぎ、カフェインが皮膚疾患の予防を示しました。

9. 脱毛

研究レビューによると、カフェインは発毛を刺激し、男性型脱毛症の治療に役立つことが判明しました。また、酒さ(赤ら顔)や非黒色腫および黒色腫皮膚がんのリスクを防ぐ可能性もあります。

 

10. 神経疾患

張医師は、コーヒーが認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経疾患に対して一定の効果があるといいます。一方、うつ病の治療に対する効果については慎重であると述べています。ただし、一部の分析では、コーヒー摂取が有益な腸内細菌を増やし、腸-脳軸を通じて脳に影響を与え、不安やうつ病を軽減する可能性があるといいます。

14万5千人以上の参加者を対象とした研究によると、1日に2~3杯の挽いたコーヒー、ミルク入りコーヒー、または無糖コーヒーを摂取した人は、うつ病や不安などの精神障害を発症するリスクが最も低いことがわかりました。

 

11. がん

張医師は、コーヒー摂取が特定のがん、特に肝臓、結腸直腸、口腔、特定の乳がん、成人白血病に対して予防効果があることを強調しています。

イギリス医師会雑誌(BMJ)に掲載されたメタアナリシスでは、コーヒーを多く飲む人と少ない人を比べ、多く飲めばがんリスクは18%下がると示しています。さらに、コーヒー摂取は特定のがんだけでなく、神経疾患、代謝性疾患、肝疾患のリスク軽減にも関連しています。研究者たちは、1日に3~4杯のコーヒー摂取は様々な健康リスクを大幅に下げ、害より健康効果が高いと結論付けています。
 

コーヒーの最適な飲み方

昔からブラックコーヒーを飲むことが推奨されてきました。しかし、2023年の研究では、コーヒーに含まれるカフェ酸とクロロゲン酸が牛乳に含まれるアミノ酸であるシステインと付加物を形成すると、抗炎症作用が大幅に強化されることがわかりました。これは、コーヒーと牛乳を組み合わせることで、抗炎症効果が大幅に高まることを示しています。

張医師は、ミルクをコーヒーに加えることでカルシウムが補給されるだけでなく、抗炎症効果も高まると述べています。コーヒーのポリフェノールがミルクと複合体を形成し、ブラックコーヒーよりも効果的に炎症を抑える化合物を作り出します。

それでも、張医師がブラックコーヒーを推奨するのは、コーヒーの風味と楽しみを高めていくことに価値があると考えているからです。シナモン、レモン、オート麦、またはその他の材料を加える実験し研究ています。

レモンコーヒー(Shutterstock)

 

コーヒーを飲む最適な時間について、張医師は午前10時と午後のお茶の時間としています。目覚めた直後にエネルギーを得るためにコーヒーを飲む必要はありません。代わりに、仕事を始めてしばらくして眠気を感じた時にコーヒーを飲むことで目が覚めます。代謝が速い人なら午後3時や4時にコーヒーを飲んでも睡眠には影響しないでしょう。

欧州食品安全機関(EFSA)は、健康な成人にとって1日のカフェイン摂取量が400ミリグラムまでであれば安全上の問題はないと述べています(妊婦を除く)。同様に、米国食品医薬品局(FDA)も、1日に400ミリグラムのカフェイン摂取(コーヒー4~5杯分に相当)は健康な成人にとって危険な副作用はないと強調しています。ただし、人のカフェインに対する感受性や代謝速度には個人差がありますので注意が必要です。

張医師は、1日あたり3杯のコーヒーを飲むことを勧めています。この量は、1日あたり約60~200ミリグラムのカフェイン摂取となります。

国立台湾大学公共衛生学部の陳修熙教授の研究チームが、15万人以上の成人を対象に行った追跡調査の結果を引用し、張医師はコーヒーを飲む人は飲まない人よりも平均して2.1年長生きすると言います。さらに、糖尿病、高血圧、メタボリックシンドローム、および結腸直腸がんの発生率が低いことを示しました。

 

(翻訳編集 青谷荘子)

認定パーソナルトレーナー。個人に合わせた運動プログラムを開発および実施するための米国運動評議会の要件をすべて合格。ナチュラルスキンケア製品のマーケティングマネージャーとして経験を積み、健康と美容のレポーターおよび編集者として10年以上勤務。YouTube番組「Amber Running Green」と「Amber Health Interview」のホスト兼プロデューサー。