3月19日、フィリピンを訪問中のブリンケン米国務長官は、両国の最近の防衛関係強化は「並外れたもの」だとし、今後も関係拡大が続くと述べた。写真右はフィリピンのマナロ外相。代表撮影(2024年 ロイター)

米国務長官、フィリピンとの防衛関係を評価 日米比連携「重要」

Mikhail Flores

[マニラ 19日 ロイター] – フィリピンを訪問中のブリンケン米国務長官は19日、両国の最近の防衛関係強化は「並外れたもの」だとし、今後も関係拡大が続くと述べた。米国の同盟関係強化は中国を標的にしたものではないとの認識も示した。

米国とフィリピンは過去1年で軍事関係を強化。米軍がフィリピン国内で使用できる拠点を増やしたほか、南シナ海の合同パトロールも開始した。

ブリンケン氏は、フィリピンのマナロ外相との共同会見で「南シナ海やフィリピンの排他的経済水域(EEZ)を含め、自由で開かれたインド太平洋という共通のビジョンを脅かす(中国の)行動について、われわれは懸念を共有している」と述べた。

米国とフィリピンは1951年に相互防衛条約を締結しており、攻撃を受けた場合は相互に防衛する義務がある。ブリンケン氏は、同協定が「強固」であり、南シナ海全域でフィリピン軍や沿岸警備隊などの公船・航空機に対する武力攻撃にも適用されると述べた。

バイデン米大統領が4月11日に岸田文雄首相、フィリピンのマルコス大統領とホワイトハウスで経済関係やインド太平洋について会談することについては、平和と安定強化に向けた「非常に重要な枠組みだ」とし「誰かに対抗することを意図したものではない。われわれ全ての国民の利益のために、将来に向けた共通のビジョンを実現するためのものだ」と述べた。

中国外務省報道官は19日の定例会見で「米国とフィリピンの軍事協力が中国の主権、海洋権、南シナ海の権益を害することがあってはならない。ましてやフィリピンの違法な立場を後押しするものであってはならない」と述べた。

フィリピンと中国は南シナ海の領有権問題を巡り関係が悪化している。

関連記事
中共外交部の報道官が数日間にわたり、サンフランシスコ平和条約(1951年)の合法性を否定し、国際法上の効力を持つのはカイロ宣言とポツダム宣言であると強調したことが、国際社会や法学界で議論を呼んでいる。日中間で「台湾有事」をめぐる外交的緊張が高まるなか、事態は新たな局面に入った
物議を醸している英ロンドンにある中共の「メガ大使館」計画が、3度目の延期となった。イギリス政府は12月2日、この計画の審査期限を来年1月20日まで延長すると発表し、国家安全保障上の懸念が一段と高まっていることを理由に挙げた
浜崎あゆみの上海での公演がキャンセルされた後の行動に称賛が集まっている。中共政府の常軌を逸した日本への外交攻撃に巻き込まれたが、今回のトラブルはかえってチャンスを広げる結果となるかもしれない。
米下院が社会主義体制の弊害を非難する中、中国共産党からの離脱「三退」は4億5500万人を突破。宗教弾圧や権力集中への国際的懸念が強まる一方、中国社会では静かな体制離れが広がっている
中国共産党が世界的な規模で拡張を続ける野心と、それに伴う国際安全保障上の脅威が懸念される中、多くの国々が戦略の見直しを加速させている