腎に栄養を与えることで、骨粗しょう症を予防し、脳と歯を強化し、若々しさを取り戻すことができます。
ご存知でしょうか? 腰痛、骨の痛み、骨粗しょう症、歯並びの悪さ、早すぎる白髪、記憶力の低下など、問題は腎にあるのかもしれないのです。 胡博士は、漢方で言う腎と西洋医学で言う腎臓は概念が違うので、漢方薬膳で腎を整えれば、これらの問題はすべて解決する可能性が高いと指摘しました。 詳細は次の通りです:
伝統的な中国医学と西洋医学による腎臓の理解
胡博士は、「私はかつて西洋医学を勉強していました。初めて中医学に触れたのは、鍼灸を学びに行った時でした。授業中に先生と議論することや、しっぺ返しがよくありました。なぜなら、先生が中医学の『腎』について話しているのに、私は西洋医学の『腎臓』として理解しようとしたからです」
同様に、私が話した肝臓も、彼が話した肝については別の話だったので、先生と私はすれ違ったのです。
ある時、先生が怒って、「もう教えない」と言いました。 そんな話があったほどです。 したがって、真に伝統的な中国医学のシステムに入るためには、伝統的な中医学と西洋医学の間にある肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓を理解する必要があります。
伝統的な中国医学によれば、腎は精神、骨格系、歯、ホルモン系、水系を司っています。 もちろん、この水系には貯蔵と排水も含まれています。 西洋医学における腎臓は排泄器官です。
腎に栄養を与え、歯を強化して若さを保つ処方
伝統的な中国医学によれば、腎の機能は実際には骨を管理しています。
体の表面に見える骨は歯です。 したがって、歯が悪いのを見つけたら、すぐに腎を補う必要があります。これはまったく正しい見立てなのです。 私がクリニックにいたとき、歯の悪い子供が数人いたので、その子供たちに「還少丹(日本でも漢方薬として売られている)」を処方しました。
他の人がそれを見て、「おかしい。なぜ子供にこんな薬を処方するの?」と言われました。 「還少丹」は脾と腎を強化する処方で、老けた見た目を若く見せる効果があるため、「還少丹」と呼ばれています。
これを子供たちに処方しますが、なぜ処方するのか理解できない人もいます。実際、子供たちの歯はすっかり外側のエナメル質が落ちて土のような色になっていました。土色のため、まるで歯が折れているように見えるので、腎虚していると考えられます。早く腎を補う必要があるのですね。
この薬を服用してから数週間後、子供の歯は比較的正常な状態に戻り、腎の強壮効果が証明されました。 悪い歯は確かに腎虚(腎に力がない)によって引き起こされます。
背を伸ばしたかったら腎を補うこと
さらに、骨は身長が伸びる鍵となります。骨がしっかりと成長して初めて身長が伸びます。腎はすべて骨の質に関係しており、腎に栄養を与えることで身長の伸びに役立ちます。
骨粗しょう症は腰を曲げ、猫背につながります。
脊椎の骨粗しょう症を患い、猫背になりやすい人がいます。 前かがみと猫背は別物です。 前かがみになると、腰が曲がっているように見えます。その場合は腎の問題なのです。なぜかというと、古代の中国医学では、腰は腎の本拠地(ベース)であると考えられているからです。したがって、腰が曲がっていると言うことは、腎気が不足していることを意味するのです。
猫背の場合はどうなるでしょうか。背中のこの場所は肺の場所だからです。 つまり、猫背は肺虚(肺に力がない状態)を意味します。肺は体の中で最も高い器官であり、腎は体の最も低い器官です。骨粗しょう症があり、腰を曲げ、猫背になる場合は、それは上部と下部が機能していないことを意味します。
骨を強くして骨粗しょう症などを予防するには、腎に栄養を与える必要があり、中医学では腎に栄養を与えることを考えており、例えば先ほどお話しした「還少丹」は脾と腎に栄養を与えます。やがて骨も強くなり、体調も良くなり、免疫力が高まると病気にかかりにくくなり、長生きできます。
長寿には脾と腎が関係しています。脾は後天的で、腎は先天的なものです。後天的な脾については、もう食べることができなかったり、食べ物を消化できなかったら、どうやって長生きできるでしょうか? 腎も悪く、両方とも悪い場合、中医学では、この人は五行陰陽の状態が悪く、長くは生きられないと考えますので、脾と腎に栄養を与え、経絡の流れを良くすることで、あなたは長生きのベースができるのです。
黒い食べ物は腎に栄養を与えることができます
黒豆、黒ゴマ、黒米(黒米は紫米とも呼ばれます)、黒キクラゲなどの黒い食品は腎に栄養を与えることができます。
今回は腎を整える薬用チキンスープを教えますね。このチキンスープは「何首烏雞湯」と呼ばれています。 これは何首烏(カシュウ:ツルドクダミ)をベースにし、烏骨鶏と一緒に調理した素晴らしい薬用レシピです。
高齢者がこれを飲むと、記憶力が低下せず、認知症にならないことがわかります。
何首烏雞湯:烏骨鶏半羽、何首鳥 ひとつかみ(約37グラム) それに、クコの実8~10個、ナツメ約8~10個、生姜のスライス6枚、椎茸3枚を加えて調理します。
伝統的な中国医学では、腎は泌尿器系だけでなく、免疫系でもあると考えられていますが、なぜでしょうか? 冬に精(エネルギー)を隠す人は春に病気にならず、そうでない人は春に病気になります。冬は精に隠されていますが、精はどこに隠されているのでしょうか? それは腎に隠されていると胡博士は言うのです。 つまり、冬に腎をよくすると、精を蓄え、春になっても風邪などの病気に罹ることはありません。 そううでなければ、春に間違いなく風邪のような病気にかかります。 そうすると、これは免疫系に問題があるということになります。
髪の毛の何が、問題になっているのでしょうか。髪が抜け続け、髪が白髪になり、斑点状に抜け落ちていることさえあります。脱毛は、腎の血液不足と腎血虚によって引き起こされます。そのため、髪が抜け落ちます。 腎の血液が不足すると、髪に血液が供給されなくなるため、髪は白くなります。 そして、この脱毛部位は丸いことが多いので円形脱毛症とも呼ばれ、髪の毛にツヤがなく、髪の毛が抜け落ちているのです。血液と腎に関係します。
甘いものを食べ過ぎると腎に負担がかかる
甘いものを食べすぎると腎にダメージを与える可能性があり、『黄帝内経』によると、甘いものを食べすぎると骨の痛みや便秘を引き起こすとされています。 つまり、甘いものを食べ過ぎると骨が痛くなるので、骨の痛みがある場合も腎虚が原因で、骨が痛くなり、髪の毛が抜けてしまいます。
『黄帝内経』にも「腎主骨藏精、其華在髮」とあり、 つまり、腎は骨をつかさどり、精を蓄えており、健康かどうかは髪の毛を通して外見でわかります。 甘いものを食べすぎると腎に負担がかかり、髪のつやがなくなって抜け落ち、腰や膝、骨が痛くなり始めるため、腎不全の高齢者は骨の痛や腰の痛みを訴えることが多くなります。腎を強化する食品や薬用食品を定期的に食べると、これらの病気を軽減したり、解消したりすることができます。
(「胡乃文講演会~名医が語る健康法~」の内容より抜粋)
編集者:白玉熙
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