米超党派組織「中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会」(CECC)の公聴会で発言するクリス・スミス議員。2023年7月11日撮影 (Madalina Vasiliu/The Epoch Times)

米超党派組織、習近平氏に渡す「中国の政治犯リスト」作成 

中国の人権状況を監視する米議会の超党派組織「中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会」(CECC)の共同議長らは、中国の政治犯リストをバイデン大統領宛に送った。今月開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で習近平国家主席と会談する際に使用し、圧力をかけるよう求めている。

共和党のクリス・スミス下院議員と民主党のジェフ・マークレー上院議員は書簡の中で、二国間関係において「政治犯が米国の重大な関心事である理由」を習氏に伝えるべきだと強調。さらに中国共産党の米国における越境弾圧の即時停止を要求すべきだと訴えた。

「過去10年間、中国当局は米国からの政治犯リストの受け取りを拒否し、拘束者の処遇や居場所に関する情報へのアクセスを制限してきた」

「(中国の人権弾圧に世界が注目している現在)政治犯リストを提出することによって、拘束者に光を当てることは、これまで以上に重要だ」

バイデン氏は11月11〜17日まで米サンフランシスコで開催されるAPEC首脳会議で習氏と会談する予定。正確な日程はまだ正式に発表されていない。

リスト

40人の名前が載る政治犯リストには、米国人3人のほか、ウイグル人、チベット人、香港人、法輪功学習者、中国人権擁護者などが含まれている。議員らは、リストは中国で恣意的に拘束されている「ごく一部」とも強調した。

2012年から中国で不当に拘束されているテキサス州の実業家マーク・スウィダン氏は、麻薬関連の罪で起訴された後、2019年に2年間の猶予付きで死刑判決を受けた。

議員らによると、中国当局はスウィダン氏に肉体的・精神的拷問を加え、適切な治療を拒否しているという。

リストには複数の中国人権弁護士も載った。そのうちの1人は高智晟弁護士で、2017年に中国北部陝西省の自宅から連れ去られた後、6年以上行方不明になっている。

「当局は2006年8月以来、土地収用事件で農民の弁護を行ったことや、法輪功学習者、キリスト教徒への迫害を非難する公開状を書いたとして、高氏をさまざまな形で拘束している」と議員らは記した。

高智晟弁護士(右から2番目)の家族写真(The Epoch Times )

議員らは、法輪功学習者である小娜在さんと周徳勇さんの名前もリストに挙げた。心の修養を重んじる中国伝統的気功の法輪功学習者は、その圧倒的な人気を脅威とみなした当時の中国国家主席・江沢民が弾圧を決行して以来、中国本土で不当に拘束、拷問され、殺害されている。

そのほか、新型コロナの感染状況を報じた中国人市民ジャーナリストの張展氏や、香港紙・リンゴ日報創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏、民主派活動家の黄之鋒氏などを挙げ、中国当局による非人道的な拘束を非難した。

国境を越えた弾圧

リストには、中国の越境弾圧の例も含まれている。ウイグル人の元医師、グルシャン・アッバスさんは、姉のルシャン・アッバスさんがハドソン研究所で中国共産党によるウイグル人弾圧について語った数日後に中国で拘束された。その後、懲役20年を言い渡されている。

Campaign for Uyghursの創設者兼事務局長ルシャン・アッバスさん (Alejandro Heredia/The Epoch Times)

Campaign for Uyghursの創設者兼事務局長である姉のルシャンさんは「中国政府は私を脅迫し、黙らせるために妹を拘束した。妹、そしてウイグル人の代弁者となり、今後も中国の犯罪を暴露していく」とエポックタイムズに語った。

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