しかもそれは、自分と同じように不幸な女が野菜を売って稼いでいたのです。( miko / PIXTA)

消えた憎しみ【ものがたり】

瓊(ケイ)は良(リョウ)を憎んでいました。5歳の息子にも「あの人のことを決して忘れてはだめよ。あの人は私たちの仇なの」と教えました。良のせいで瓊は夫を失い、5歳の息子は父親を失ったのです。

実は、良には罪がありません。彼は正当防衛で瓊の夫を殺してしまったのです。

良は無罪の判決を受けて以来、まるで別人のように変わりました。酒もタバコもやめ、敬虔で誠実なキリスト教徒となったのです。良は瓊のところにやってきて、自分を許して欲しい、子供の教育費も出させて欲しいと言いました。

▶ 続きを読む
関連記事
同じ画家を師として絵画の学習に励んでいた張さんと丁さんは、共に才能に溢れ、努力家でした。師匠は持っている技芸のありったけを弟子に伝授し、二人はやがて絵画の大家となりました。その後、二人の師匠は思い残すことなくこの世を去りました。
ある鉱山労働者が採掘の最中に、誤って爆弾に触れてしまい、その爆発によって亡くなりました。家族はわずかな補償金しかもらえませんでした。大黒柱を突然失った一家の家計は火の車となり、専業主婦だった妻は、どうやって幼い子供を養っていけばよいのか、悩みに悩んでいました。そんなとき、夫が生前働いていた採掘班の班長がやってくるとある提案をしました。
仕事で出張をする度に、「社会の治安がよくないから泥棒などに気をつけてね」と妻はいつも私に言います。 出張に出たある日の夜、私は地方のある宿泊所(一部屋に大人数が寝泊りする安い宿)に入りました。案内された部屋には、私の前にすでに1人の見知らぬ客がいました。
李乙は仲の良い王甲と市場に行った時、妊娠している牛を見つけ王甲に腹にいる子牛と2匹分で得だといい購入を勧めた。そのとおりにした王甲は確かに得をしたが、それが不幸の始まりとなってしまった
積善の家には必ず余慶あり、積悪の家には必ず余殃(災い)あるものだ。