台湾副総統、米経由で8月パラグアイ訪問へ 中国は経由に反発
[北京/台北 17日 ロイター] – 台湾総統府は17日、2024年1月の台湾総統選に出馬を表明している与党・民主進歩党(民進党)の頼清徳・副総統が8月に南米パラグアイを訪問する際、米国に立ち寄ると発表した。
頼氏はパラグアイで8月15日に開かれる次期大統領・ペニャ氏の就任式に出席する予定。米経由に関する詳細は後ほど発表されるという。台湾の総統と副総統は台湾と正式な外交関係を維持している数少ない国々を訪問する際、米国を通過するのが恒例となっている。
頼氏の米経由について、中国外務省の毛寧報道官は同日、「中国は米台間のいかなる公式交流に断固反対する。いかなる名目や理由であれ、台湾独立分離主義者の卑劣な訪問に断固反対し、台湾独立分離主義者を支援する米国のいかなる共謀にも断固反対する」と指摘。「中国は事態の進展に細心の注意を払い、国家主権と領土保全を守るため、断固として力強い措置を取る」と述べた。
米国のブリンケン国務長官は記者団に対し、頼氏の米国経由での移動は「日常的なもの」で、過去の慣例に沿ったものだと指摘。「中国がこの通過を挑発的な行動の口実にする理由はない」と述べた。
その上で、先週ジャカルタで会談した 中国外交トップの王毅・共産党政治局員を含む中国側の当局者に、米国は台湾海峡を巡る状況を変えようとしておらず、米国の方針は変わっていないと繰り返し伝えていると語った。
これに先立ち、米国務省の報道官は、頼氏の米経由は過去の慣例に沿ったものであり、中国はこれを口実に台湾への圧力を強化すべきではないと言及。「経由は訪問ではなく、非公式なものだ。台湾副総統の経由は一般的で、過去20年間では副総統による経由が10回あったが、いずれも問題なく行われた」とした上で、「われわれは中国政府に対し、今回の経由に過剰反応したり、海峡での挑発行為や台湾の選挙への干渉の口実として利用したりする理由はないと説明してきた」とした。
同報道官によると、台湾の野党・国民党の総統候補である侯友宜氏も初秋に訪米する予定という。