仏少年射殺した警官に150万ユーロの寄付、社会の分断浮き彫り
[パリ 4日 ロイター] – フランスで北アフリカ系の17歳の少年が警官に射殺された事件を巡り、殺人罪で訴追された警官の家族への寄付が4日時点で147万ユーロ(160万ドル)を超えた。少年の遺族への寄付を大幅に上回り、怒りの声が上がるなど社会の分断を浮き彫りにした。
警官への寄付を募る活動は極右のメディアパーソナリティーがクラウドファンディングサイトで立ち上げ、7万2000件以上の個人的な寄付が寄せられた。
左派政治家はこの活動を恥ずべきものだと非難し、停止を求めた。一方、極右勢力は低所得者が多く住む地域で警察が日常的に暴力の標的になっているなどと反論した。
少年の遺族への寄付は35万2000ユーロにとどまっている。
事件を機に広がった暴動は、この2晩は比較的落ち着きを見せている。
マクロン大統領は暴動が起きた302の自治体の首長と3時間半にわたり協議し、暴力は収束しつつあるとの見方を示した。また、被害を受けた建物などの修復を容易にするため、手続きを簡素化する臨時法案を提出すると述べた。
主要雇用者団体のトップは、暴動で200店舗が略奪に遭い、300の銀行支店などが破壊行為の被害を受けたとし、修復費用は10億ユーロを超えると試算した。
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