米食品医薬品局(FDA)は24日、抗がん剤開発企業に対し、抗がん剤候補の迅速承認取得に際してほとんどの場合、より厳密な臨床試験を行うよう勧告した。写真は2020年8月、メリーランド州ホワイトオークで撮影(2023年 ロイター/Andrew Kelly)

米FDA、抗がん剤候補の迅速承認に臨床試験の厳格化を勧告

[24日 ロイター] – 米食品医薬品局(FDA)は24日、抗がん剤開発企業に対し、抗がん剤候補の迅速承認取得に際してほとんどの場合、より厳密な臨床試験を行うよう勧告した。

FDAの迅速承認制度には批判も根強く、米バイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「アデュヘルム」の迅速承認手続きを巡っては連邦当局が調査を開始する事態に発展。迅速承認によって重い、生命に関わる疾病の治療薬をより早く発売することができるが、一部の医薬品について後で効果がないことが判明している。

FDAは開発企業に対し、迅速承認の取得で対象群のない治療薬候補だけの(シングルアーム)試験ではなく、患者を治療薬候補と別の治療薬を投与する2つ以上のグループにランダムに分けて効果を検証するランダム化比較試験を行うよう推奨した。

シングルアーム試験のデータを基に迅速承認を取得する医薬品開発企業は承認後に臨床効果を確認する別の試験を行うのが通例。

FDAは1回の長期のランダム化試験を行う方が、結果的に効果がより迅速に確認できる利点があると指摘した。

関連記事
アメリカ政府が国家安全のため、中国製TP-Linkルーターの販売禁止を検討。セキュリティ脆弱性と中国共産党のネットワーク攻撃利用の恐れが背景に。国防省含む複数機関が調査中、近く結果が出る見込み。
バイデン政権が新型コロナウイルスワクチン関連の免責措置を2029年まで延長した。この決定は、ワクチン製造者や医療提供者を法的訴訟から保護する一方で、ワクチン被害者の救済をめぐる重大な議論を引き起こしている。
イエレン財務長官は、ロシアの石油収入遮断と「黒い艦隊」制裁を検討。さらに、中国の銀行や企業への制裁も可能性を排除せず、既に影響を受けた中国企業が資産売却を進めている。制裁強化が進む中、国際経済に緊張が高まる。
超加工食品がアメリカ人の健康を脅かす中、新たな食事ガイドラインが改革の鍵を握っています。ケネディ氏が提唱する企業の影響力排除と、超加工食品の規制強化の行方に注目です。
ミシガン大学は、教員採用や昇進、終身在職権(テニュア)の審査において求められていたDEIに関する声明の提出義務を廃止すると発表した。この決定は、表現の自由や多様な考え方を制限するリスクがあるとの批判を受け、大学の方針を再評価する動きの一環である。