中国製半導体使用巡る米上院の新規制法案、企業団体反発で内容後退
[ワシントン 6日 ロイター] – 米議会上院は、米政府とその取引企業による中国製半導体の使用を巡って打ち出した新たな規制法案の内容を後退させている。ロイターが直近の修正案を確認して分かった。背景には、米商工会議所をはじめとする国内企業団体からの反発があるようだ。
上院民主党トップのシューマー院内総務と、共和党の対中強硬派として知られるコーニン上院議員は9月、政府機関と取引企業が中芯国際集成電路製造(SMIC)や長江メモリ(YMTC)などの製品を使うことを禁じる法案を提出。しかし米国の複数の業界団体は先月の書簡で、対応にはコストがかかる上に米企業側はさまざまな電子製品の中にSMIC製品が含まれているかどうか判別するのは難しいと不満を訴えていた。
こうした中で今月1日付の修正案には、米政府との取引企業に当該半導体を「使用」してはならないと明記されておらず、順守期限は当初定められていた最長2年から5年に延長された。
この法案の最終版は今週中に公表される見通し。そこにこの修正案が盛り込まれる可能性があるとみられている。
シューマー氏の事務所、SMIC、YMTC、米商工会議所のコメントは得られていない。
コーニン氏の広報担当者は5年間の順守期限について、今年成立した半導体産業支援法「CHIPS法」に適合するように設計されていると説明した。
在ワシントン中国大使館は、法案に中国に関する否定的な表現が含まれることを「断固として」拒否すると表明。米商工会議所の書簡に触れ、「世界の産業、サプライチェーン(供給網)を恣意的に混乱させ損害を与えることは誰の利益にもならないことを示している」とした。
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