ロシアと米国は戦略核兵器を巡る協議の開催について検討している。ロシア紙コメルサントが8日、関係筋の話として伝えた。写真は両国の国旗。1月にジュネーブで撮影(2022年 ロイター/Denis Balibouse)

米ロ、新START巡る協議再開で合意 ウクライナ侵攻後初=米国務省

[モスクワ 8日 ロイター] – 米国務省のプライス報道官は8日、米ロの新戦略兵器削減条約(新START)の履行を促進する2国間協議委員会(BCC)の協議再開についてロシアと合意したと明らかにした。「近い将来」に会合を開くと語った。

ロシアは今年8月にウクライナ侵攻を巡る西側諸国の対ロ渡航制限を理由に、新STARTに基づく核関連施設の査察受け入れを停止。ただ、条約の規定は守るとしていた。

プライス氏はウクライナ侵攻を受けて導入した措置について「ロシアの査察団が米国で新STARTに基づく査察を行うことを妨げないとロシア側に明確にした」とし、「BCCの会合によって査察継続が可能になることを期待する」と述べた。

米ロの戦略核兵器の配備数を制限する新STARTは、2011年に発効した。

BCCは年2回会合を開くことが定められているが、21年10月を最後に開催されていなかった。

プライス氏は米政府が「建設的な協議」を望んでいると述べたが、開催時期や場所には触れなかった。

ロシア紙コメルサントは先に、会合が中東で行われる可能性があると報じた。従来の開催地であるスイスはウクライナ戦争を巡ってロシアに制裁を科したため、ロシアはもはや中立とは見なしていないという。

事情に詳しい関係者は、BCCの会合はエジプトのカイロで開催される見込みだと述べた。

プライス氏は「米ロ間の対話で何が達成できるかわれわれは現実的だ」とした上で「協議ではリスク削減に重点を置いてきたが、両国がメッセージをやり取りし、対話する能力が弱まらないよう注意を払ってきた」と述べた。

関連記事
NATOのルッテ事務総長は28日、ロシアに派兵された北朝鮮軍部隊がロシア・クルスク地域に配備されたことを確認したと明らかにした。米国防総省は、北朝鮮が戦闘に加わった場合、米国はウクライナによる米兵器の使用に新たな制限を課さないと発表した。
日米韓3カ国の安全保障担当官は25日、ワシントンで協議を行い、北朝鮮がロシアに派遣した兵士がウクライナの戦線に投入される可能性について「重大な懸念」を表明した。米ホワイトハウスが発表した。
次期大統領を争う共和党のトランプ候補と民主党のハリス候補は、ウクライナ戦争の出口戦略およびロシアとの交渉姿勢において対極的な態度をとっている。
ロイターの報道によると、ロシアは中国に秘密裏に武器プロジェクトを設立し、ウクライナ戦争を支援するための攻撃型無人機の開発と生産を行っている
オースティン米国防長官はウクライナのウメロフ国防相と電話会談を行い、米国のウクライナに対する揺るぎない支援を再表明した。米国防総省が23日に明らかにした。