核国家宣言を行い、中国の太陽光発電への投資を求める北朝鮮

北朝鮮は、金正恩総書記が非核化を公然と拒否する中、中国との関係を再び温めようとしている様子だ。

新型コロナウイルスのパンデミックにより国境が閉鎖されて以来、両国間の貿易関係は緊張している。 専門家によると、北朝鮮に対する継続的な制裁により、北朝鮮政府が本来核兵器の備蓄に使用するとみられる外部資源を確保することがますます困難になっている。

ラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じたところによると、国際連合安全保障理事会(UNSC)の制裁で北朝鮮産の石炭の購入が禁止されているにもかかわらず、北朝鮮は中国への石炭の出荷を再開している。

「石炭、鉄鉱石、様々な非鉄金属製品などの北朝鮮の大口収入源の輸出制限により、外貨が不足している可能性があり、輸入量を増やす能力が制約されている」と、ウェブサイト「ノース38(North 38)」は2022年に報じた。 「しかし、これらの製品はいずれも現在中国国内で高い需要があり、非常に高い価格で取引されている。このため、密輸が横行したり、中国政府は方針の変更を迫られている」という。

ラジオ・フリー・アジアによると、北朝鮮は現在、西海岸沿いにある海洋牧場の10年間のリースと引き換えに太陽光発電所を建設するための中国の投資を求めており、中国とのパートナーシップ拡大を求めている。

ハッカーらが仮想通貨を使用して北朝鮮のために数百万ドルを洗浄しており、こうした資金は大量破壊兵器計画の主要な資金源となっていることが証明されている。 仮想通貨市場の破綻と米国財務省の調査と制裁により、北朝鮮のデジタル通貨への足がかりは崩れ去り、北朝鮮政府は他の資金源を模索する必要に迫られている。

しかし、中国や北朝鮮などの国々が手を組んだ時の北東アジアの勢力均衡について、専門家たちは依然警戒している。

韓国経済研究所の上級顧問であるヘ・キョンアン氏は、2022年3月にオンラインニュース雑誌「ザ・ディプロマット」に寄稿し、「中国の対北制裁への支持は薄れ、今では、パンデミックでロックダウンした両国が国交を再開する準備が整い次第、北朝鮮国内での影響力をさらに拡大する準備ができている。 北朝鮮と中国のような大国と同盟することで、弱い方の国が不安定化した際には素早く代理関係に発展する可能性がある… 北朝鮮との交渉が単に不正な政権のけん制として見なされた時代ははるか昔のことだ」と述べている。

何十年にもわたって、北朝鮮はインフラの老朽化のために住民に電力を安定供給する能力を欠いており、生活の質の向上ではなく核兵器に重点を置いているとアナリストは述べている。 農村部では、平壌の電力を維持するために日常的に電力供給が遮断されている。 

北朝鮮の太陽光発電所の提案は、北朝鮮沿岸で養殖されているウナギ、魚、貝類の権利を中国に与えることになる。 約5,000ヘクタールの養魚場のリースと引き換えに、中国は1日当たり250万キロワットの発電が可能な太陽光発電所建設に25億米ドルを北朝鮮に支払うことになると、ラジオ・フリー・アジアは報じている。

より良い住宅やその他の資源を国民に提供するという金総書記の約束は、彼の指導者としての10年間でほとんど達成されていない。 代わりに、同政権は核兵器計画を推進し続けており、2022年9月初旬には北朝鮮が核兵器を放棄することはないと金総書記が発言している。

金正恩総書記の発表後、北朝鮮は新たに可決された核戦力政策法に関する一連のプロパガンダ講演会を開催した。この法律は、脅威に対抗するために金正恩総書記が先制核攻撃を命じることを認めるものだ。 2022年9月にラジオ・フリー・アジアが報じたところによると、金政権は全国民に講演会への出席を強制しており、困窮する北朝鮮国民らは時間の無駄だと訴えている。

「人々は、核兵器を放棄せずに資金援助を得るために進めていた他の国々との非公開会談が失敗したため、新法を可決したと言っている」と、ある情報源がラジオ・フリー・アジアに語った。 「住民は、核兵器の開発と保有が自分たちの生活に全く役立っていないことをはっきりと認識しており、それに関する講義に出席するのは時間の無駄だと考えている」という。

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