「鬼城」は怨念がつまった幽霊の街【現代中国キーワード】
【鬼城】
城は、日本であれば江戸城や大阪城になるが、中国語の「城」は都市を指す。
そのため「鬼城」は、よく「ゴーストタウン」と説明される。間違ってはいないが、十分な説明になっているようにも見えない。
ゴーストタウンという言葉は、中国以外の国では昔から用例があった。例えば、アメリカ映画の西部劇では、かつて金鉱で賑わったが、今は金が出なくなってすっかり寂れてしまった街として出てくる。もっとも、全く無人では映画が始まらないので、誰かは必ずいるのだが。
中国語の「鬼」は、豆まきのオニではなく、まさに人が死後に一度はなる幽霊のことを指す。ただ、おかれている状態が悲惨すぎるのだ。成仏できず、墓にも入れず、供養する家族もいない「幽鬼」たちは、すさまじい飢えに苦しみ、うめきながら現世を徘徊するのである。
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