世界脱党支援センターが発行する「脱党証明」を手にする人たち。中国共産党とその関連組織から「脱党」を表明した中国人が4億1000万人を超え、その数はますます増えている。(退党中心 Quit CCP Center)

「中共の鉄鎖」を断った人々 勇気ある脱党者まもなく4億人に

中国人が、中国共産党(中共)およびその関連組織から、自らの意思で脱退を宣言する「脱党運動」が始動したのは2004年12月3日だった。

「中共の鎖」を断ち切る

以来、18年にちかい年月が流れた現在、はじめの1人からスタートした脱党宣言者の数が7月19日時点で3億9920万1291人と、まもなく4億人に達しようとしている。

https://www.tuidang.org/ 脱党を宣言した人の数がまもなく4億人に達する。

脱党(中国語では退党)は、中国大陸に生きる全ての人、および中国出身で現在は海外に在住する人もふくむ全ての華人が対象となる、きわめて重要な選択なのだ。

しかし、人間として正常な意識を取り戻し、それを実行する勇気をもつことができるならば、脱党は決して難しいことではない。

その人々が、全世界脱党支援センターのホームページあるいは同センターの街頭ボランティアがもつ署名用紙に、自身で「脱党」を宣言し、署名や意思表明をすることによって成立する。

この手続きを経ることにより、中国共産党が中国人に巻きつけた「悪魔の鉄鎖」が、ようやく断ち切られるのである。

中国共産党という砂山

中国共産党の党員は、いわゆる「建党百年」を迎えた昨年の公表によると、数字の信ぴょう性は疑われるが、過去最多の9514万8000人余になったという。もちろん中国共産党は、体面上「党員が減った」とは公表しない。

同様に党員9514万が堅固な一枚岩であるはずがなく、揺れれば崩れる砂山なのである。

従来の中心であった農民や労働者階級の党員(3229万人)に加えて、国営や民間企業に勤めるホワイトカラー族の党員(2568万人)も今では多くなっている。

さらに2002年より、「民間企業家の共産党員」という奇妙な党員が出てきた。

極左の昔ならばあり得なかった階級の入党も認められるようになったことは驚きと言うしかないが、中共の支持基盤がそれだけ揺らいでいることの証左に他ならないだろう。

いずれにしても、彼らが党員となるのは、それだけ「うま味」が得られるという計算からである。よほどの変わり者でない限り、思想的な理由で志願したのではない。

狂気のような入党式

2年前、中国武漢から中共ウイルス(新型コロナウイルス)の大流行が始まったとき、戦地へ赴く兵士のような悲壮感とともに、共産党に入党して医療の最前線へ投入される多くの医師や看護師がいた。髪を丸刈りにされて泣く、若い女性看護師はどうしただろうか。

もちろん危険な任務に自ら志願(どういう周囲の状況であれ)した彼らは、医療従事者としての純粋な使命感はもっていただろう。

しかし、その入党セレモニーはきわめて演出的であり、ある種の狂気でなければとても耐えられないような、不気味な仕草で行われる。

ホールの中央に、紅い共産党旗が掲揚されている。

入党志願者は、右手の拳を肩の高さに上げ、それを前へ突き出すとともに、狂ったような声で(国家に対してではなく)中国共産党への絶対的忠誠を誓う。もちろん宣誓書に署名もさせられる。

これが、人間が悪魔に魂を売った瞬間である。

子供から始まる洗脳教育

こうした中共の洗脳は大人だけではなく、すでに子供のころから始まっている。

中国の子供たちの首に巻かれている赤いスカーフを「紅領巾」という。

50年前ならば、「偉大なる毛主席の子供」という、小学生にとって誠に名誉あるスカーフだった。今はそこまでは言わないが、やはり成績優秀で、政治思想も模範とされる生徒から優先的に渡される。

これが少年先鋒隊(少先隊)。旧ソ連ではピオネールといった共産党の少年組織である。

赤スカーフを授与する仰々しい式典では、子供に、右手を高く頭上に挙げる独特の敬礼をさせる。最終的には成績の劣る子供にも渡されるようになっているが、いずれにしても純粋無垢な子供を完全に洗脳する恐るべき仕組みが、大陸中国では今も機能しているのである。

少年先鋒隊に続いて、高校生から大学生を対象とする共産党組織が、共産主義青年団である。

目的は同じで、若者を都合よく洗脳するためであるが、特に進学や就職に影響する成績評価に関係するので、学生にしてみれば弱みを握られているようなものだ。卑劣の極みというほかない。

「神が見ている」という厳粛さ

中国共産党員だけでは実数として「脱党4億人」に足らないのは、このような理由による。

つまり、共産党、青年団、少先隊の3つの中共組織のいずれかに多かれ少なかれ必ず関係してしまうのが、今の大陸中国に生まれた人の避けられない運命であるため、それらの組織も含めて完全に「脱党」するのである。

それは、現在海外に在住する華人でも同じである。

例えば、子供の頃に中国の小学校に学び、心ならずも悪魔と結んでしまった誓約が残っているならば、たとえ大人になってからでも必ずそれを清算し、中共の鎖を断ち切らなければ、その中国人は新しい人生を生きられないのだ。

その証人となってくれるのは、無神論の共産党が否定する天上の神々である。

ゆえに脱党は、実名のほかに仮名(かめい)を使っても認められる。仮名での脱党が無効にならないのは、それがただの形式ではなく、心の純粋さを見るからである。

中共は「沈みゆく船」

中国共産党は、どれほど虚勢を張っても、もはや張り子の虎であることは疑いない。

党の高級幹部でさえ、自身の私的財産を密かに海外へ移し、自分の子女を外国へ移住させることで、いざというときの逃げ場を確保しようとしている。彼らは、実は分かっている。

中国共産党は、底に大穴のあいた幽霊船である。沈む船と運命をともにしたくないならば、その鎖を早急に切断するしかない。もう残された時間は、ほとんどないからだ。

中国人を対象とする「脱党」とは、そういう歴史的な意味をもつ巨大なムーブメントである。

関連記事
中国河南省で転落事故後に死亡した14歳少年の臓器提供を巡り、母親が「手はまだ温かかった」と疑念を示した。死亡判定や手続きの透明性にネット上で関心が高まり、事例は国内で波紋を広げている。
冬に入って以降、中国の多くの地域で呼吸器系疾患が流行のピークを迎えつつあり、少なくとも17の省でインフルエンザが流行している。北京では他地域に先駆けて流行がピークに達し、インフルエンザの陽性率は45%近くに上っている
湖南省の湘雅二病院で新生児が2度の開胸手術後に死亡した。遺族は医療ミスを疑い、病院側は死亡原因も監視映像も示していないという。ECMOや呼吸器の取り外しも同意なしとされ、危篤時も父親は面会できなかった
11月27日、昆明市洛羊鎮の鉄道駅構内で、試験列車が施工作業員と衝突する事故が発生した。公式発表によれば、この事故で11人が死亡し、2人が負傷した
日本人学校を標的とした暴力的なメッセージは、最近の攻撃と国家主義的な言説の高まりを受けて、日本政府が国民に警戒を呼びかけている