「サプリよりも野菜を食べて」あなたの免疫力を高める食物6選

世界各国でまだ続いている「ウイルスとの闘い」。
それは、形としては一種の「共存」にも見えますが、決してウイルスの存在を是認したわけではなく、あくまでも平常通りの生活を続けながら「ウイルスに侵されない」という防衛線は堅持していくことを意味しています。

そこで改めて重要になるのが、私たちがもつ自然免疫力です。

体を最良の状態に保つことで、人間がもつ免疫機能は最大限に発揮されます。
万一ウイルスが体内に侵入しても発症させない、あるいは重症化させずに治癒するという、数段構えの防衛線となる人間の免疫システムは、誠に優れた機能と言ってよいでしょう。

その免疫力を維持するために、私たちはどんな点に注意したら良いでしょうか。
それは、適度な運動や十分な睡眠だけではありません。何と言っても、体に必要な栄養素をバランスよく含む食物をとることによって、自然免疫力は良好に機能できるのです。

科学ニュースのウェブサイト『Live Science』も、次のように説明しています。
「市販されているビタミン剤や各種のサプリメントは、免疫システムの強化に少しは役に立つだろう。しかし人体は複雑な機能をもつものでもある。そのため、単一機能のサプリメントを服用するよりも、栄養バランスのとれた健康的な食事をするほうが良い」

ここでは、人間の自然免疫力を高めるのに役立つ食材のうち、6種の食材をご紹介します。

1、果物

果物には各種ビタミンやミネラルのほか、多様な生物活性物質が含まれており、免疫機能を大幅に向上させます。

特に、一部の果物は免疫系を強化する機能が強いと言われています。柑橘類の場合、オレンジ、ミカン、レモンなどは、細菌感染症の治療によく使われる栄養素であるビタミンCの供給源となります。

柑橘類はフラボノイド、特にヘスペリジンを豊富に含んでいます。ヘスペリジンは、炎症や呼吸器系ウイルスに対抗できる強力な抗酸化物質です。

そのほか、免疫力を高める果物として各種のベリー類も優れています。これまでの研究によって、ベリー類は抗酸化、抗変異原性、抗菌、抗炎症および神経保護など多くの特性をもつことが分かっています。

2、野菜

野菜も果物と同じように、各種のビタミンやミネラル、植物性栄養素が多く含まれています。

野菜も食物繊維やプレバイオティクスの良い供給源です。プロバイオティクスとは人体に有益な細菌のことで、腸内の健康を維持するとともに、全身の免疫機能にプラスの影響を与えます。

例えば、赤ピーマンや唐辛子に多く含まれるビタミンCは、柑橘類のそれにも匹敵します。それらはカプサイシンと呼ばれるアルカロイドを含有しており、非常に強い抗酸化および抗炎症の作用をあらわします。臨床においては、痛みの緩和のほか、がん予防や体重減少の予防にも潜在的な効果が期待できます。

ブロッコリーカリフラワー、カラシナ、キャベツなどのアブラナ科の野菜には、グルコシノレートと呼ばれる物質が多く含まれており、免疫系の働きを高めるのに役立ちます。

グルコシノレートは乳がん、脳腫瘍、血液がん、大腸がん、胃がん、肝がん、肺がん、口腔がん、膵臓がん、前立腺がんなどの各種がんに対して抗がん作用を示すとされており、基礎研究が進められています。グルコシノレートの一種であるブロッコリーのスルフォラファンは、よく知られています。

3、キノコ類

免疫力を強化するもう1つのグループはキノコ類です。

それらは微量元素であるセレンとビタミンB群を豊富に含みます。いずれも免疫システムの維持に重要な役割を果たしており、免疫力の調整および抗がん作用を有するタンパク質も含まれています。

4、発酵食品

ヨーグルト味噌、漬物などの発酵食品には、人体に有益なプロバイオティクスが豊富に含まれています。

専門誌に掲載された研究によると、プロバイオティクスには、白血球を増やすなど免疫力を増進させる機能があります。

5、魚介類

食事に魚介類を多く取り入れることは、免疫系の強化に役立ちます。

魚の脂肪から摂取できる物質のなかで、健康増進に有益なものとしては、オメガ3脂肪酸、メラトニン、トリプタミン、ポリアミンなどがあります。

6、香辛料

香辛料や調味料は、主として料理の味を引き出すために使われますが、なかでもニンニクは免疫系を強化する食材の代表例です。

食事のなかでニンニクを適宜とるようにすると、呼吸器系の感染症、胃潰瘍、各種がんの予防や治療に役立ちます。

また、ショウガ、黒コショウ、ターメリック(ウコン)なども、免疫系の働きを高めるのに役立つ可能性があります。

(翻訳編集・鳥飼聡)

陳俊村