冷凍すると栄養価が上がる6つの食品 覚えておきたい食材保存の3つのコツ
食品の保存をどうしていますか?冷蔵保存?それとも冷凍保存?冷蔵食品の賞味期限は不十分だとか、また冷凍した食品は栄養不足というマイナスイメージを持たれがちですが、実は、冷凍することで賞味期限が延びるだけでなく、栄養価もアップする食材があるんです。
冷凍保存に適した食品は?
水分が多く、壊れやすい構造の食品は、新鮮なうちに食べるのが適しています。水分の少ない固形食品は冷凍保存が可能ですが、ジャガイモやこんにゃくなど、冷凍すると味や食感が大きく変わってしまう食材は、冷凍しない方がよいでしょう。
多くの食材は、冷凍する前に適切な処理をすることで、時間をかけずに調理でき、同じように美味しく食べることができます。ここでは、特に冷凍保存に適した食品を紹介します。
マッシュルーム
きのこ類は、一般的に冷凍するとグルタミン酸やアスパラギン酸などのうま味成分が増加し、より栄養価の高い食品となります。グルタミン酸は、筋肉の修復や増強を助け、手術後の感染症のリスクを低減させ、アスパラギン酸は疲労回復効果や肝臓の解毒を促進する効果があります。
マッシュルームを冷凍保存するには、マッシュルームの固い粒を取り除き、ジップロックに入れて冷凍庫に入れるだけですが、使うときに必要な数だけ取り出せるよう、重ならないように冷凍したほうがよいでしょう。
一種類のきのこだけを冷凍保存することもできますが、複数のきのこを混ぜて冷凍保存することもお勧めです。必要に応じて取り出し、味噌汁や煮物に入れたり、炒め物にすると調理時間の短縮につながります。
日本の栄養士である住吉彩さんによると、冷凍ブロッコリーは殺菌効果があるだけでなく、酵素の働きが抑制され、栄養と鮮度を保つのに効果があると言います。
冷凍方法:ブロッコリーを冷凍する前に、あらかじめ湯通しし、手早く取り出して水気を切り、調理時に直接入れられるように小さくカットすると、調理時間が短縮されます。
冷凍ブロッコリーは栄養価がほとんど失われません。しかし水分が残ったまま冷凍すると、風味や栄養価が劣化します。そのため、茹でてから冷凍する際は、よく水を切っておくことが大切です。
米・パン
お米は冷凍しても栄養価が上がるわけではありませんが、日本料理研究家の福田信厳氏は、炊いたお米は冷めるのを待って冷凍するよりも、すぐに冷凍したほうがおいしさが保たれると考えています。
また、パンは冷蔵庫で数日冷やすと硬くなり、常温で保存するとカビが生える可能性があるので、早く食べられない場合は、できるだけすぐに冷凍することを福田さんは勧めています。冷凍したパンを食べるときは、電子レンジやオーブントースターで温め直すと、買ったときと同じようにおいしく食べられます。
冷凍ムール貝
ムール貝も冷凍すると栄養分が増えます。アサリも同様で、人間の肝臓に良い影響を与えるオルニチンの含有量は、冷凍すると増加するそうです。
冷凍方法:洗って塩抜きし、水気を取り、ジッパー付き食品用ポリ袋に入れ、冷凍庫に入れます。調理時は、必要な分量を取り出してフライパンに入れるだけです。
小松菜
日本の小松菜は、ほうれん草よりも多くの鉄分を含み、牛乳と同量のカルシウムを含んでおり、冷凍することでビタミンCが保持され、風味もよくなります。このタイプの小松菜は渋みが強くないので、前処理なしで冷凍保存が可能です。
冷凍方法:水で洗って水気を取り、適当な大きさにカットしてビニール袋に入れて冷凍します。
調理する場合は、解凍せずにそのまま鍋に入れます。スープに使う場合も凍ったままでOKです。
豆腐の栄養素は水溶性ではないため、冷凍しても栄養素が失われず、冷凍前よりもタンパク質が多く含まれ、おいしく食べることができます。
冷凍方法:豆腐を適当な大きさに切り、平らな皿に並べてラップをかけ、冷凍庫に入れます。豆腐が重ならないように注意します。
豆腐は冷凍後解凍し、水切りをして調理してください。凍り豆腐を炒めたり揚げたりして、肉に負けない味にするのも人気の食べ方のひとつです。
冷凍保存する際の3つのポイント
食材によって冷凍の仕方は様々ですが、ここでは冷凍後に美味しく食べるためのコツをご紹介します。
1.野菜は冷凍前に下茹でする
水分の多い野菜は、そのまま冷凍すると、解凍後の食感が大きく変わることがあります。これらの野菜は湯通しして、適当な大きさに切ってから冷凍するのがおすすめです。これにより、解凍時間だけでなく、調理時間も短縮することができます。
2.肉や魚は下味をつけるとおいしくなる
肉や魚は、水分が少ないときに小分けにして冷凍すると、風味がよく保たれます。冷凍する前には、塩・コショウなどの調味料で味付けをします。これにより、調味料が水分を吸収して風味がよくなり、調理時間の短縮にもなります。
3.急速冷凍の利用
食品に含まれる水分が少なくても、凍結時間が長いため、凍結すると霜が味に影響を与えることがあります。そのため、急速冷凍を実現するためには、冷蔵庫の最強冷凍機能を利用することがおすすめです。
また、氷嚢で食材を挟んだり、食品パックをなるべく平らに置いたり、食材を薄くスライスしておくと、凍結が早くなります。
色々お話はしてきましたが、これらの方法やコツはあるものの、冷凍食品はいつまでも鮮度を保てるものでもありません。1ヶ月程度で消費することが望ましいとされています。
(翻訳・井田千景)