昼間、ジョギング中などに足がつってしまうのは、単に運動による疲労が原因であることが多いものです。
しかし夜、ベッドに寝ていて突然ふくらはぎにけいれん(こむら返り)が起き、激痛で目が覚めるのは、多くの場合、全く別の原因によります。
なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。
これにはいくつかの要因が考えられます。昼間デスクワークで長時間椅子に座っていたり、逆に、その日に限って外部での業務が多く、足の筋肉が酷使されたりすると、その日の夜に就寝した後もけいれんしやすくなります。
また、過去にアルコール依存症であった人、日中に十分な水分補給をしていない人、パーキンソン病や糖尿病の患者、筋肉を制御する神経系の病気がある人も、夜間に足がつってしまうことがあります。食事が偏っていて、ミネラル不足の人も同様です。
病気ではありませんが妊娠中の女性も、こむら返りはよく起こります。
これは妊娠によって体重が増加し、脚への負担が大きくなっていることと、胎児の成長のために、カルシウムやマグネシウムなどの血中ミネラルが不足しがちなことが原因です。
では、夜間に足がつる「こむら返り」が起きたとき、どうしたらいいでしょうか。
まずは慌てず、落ち着いて以下のようにしてみてください。
1、床や寝台に座って足を伸ばし、足先を手でつかんで筋肉をゆっくり伸ばします。足先まで手が届かない場合は、タオルやスカーフで補助します。
2、立ち上がって寝室内を数歩あるきます。歩きながら両足の筋肉をほぐします。
3、親指で痛む個所を押さえてマッサージし、患部の血行をよくします。
4、毛布や布団をゆるめて、脚を圧迫しないようにします。
5、可能であれば、マスタード(芥子)をスプーン1杯食べます。マスタードには酢酸が含まれており、筋肉けいれんを軽減するアセチルコリンの生成を促します。
就寝中に起きる足のけいれんは辛いものですので、できるだけ予防しましょう。
寝る前に軽いストレッチをして、筋肉をほぐします。また、足をお湯の入ったバスタブに入れて温めるか、けいれんしやすい筋肉に温湿布をします。
女性の場合、可能であれば、日中はハイヒールを長時間履かないでください。
もちろん、上記の方法があまり効かず症状が続く場合は、医師の診察を受ける必要があります。いずれにしても、普段から自己予防に気をつけていれば、病院にかかったり、鍼治療を受けたりする必要はないかもしれません。
(文・Louise Bevan/翻訳編集・鳥飼聡)
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