スキマ時間で身体を動かし健康な身体を得る 頑張らない運動習慣のススメ

毎日10分間のランニングとスクワットをして、やっと運動とみなされますか?そうではありません。実際、運動は思ったより簡単です。忙しくて怠惰な人でも、他の人と同じように運動することで体重を減らし、長生きすることができます。

ミネソタ大学心理学研究者のヴィヴィアン・ハザード氏は、「ポピュラーサイエンス」誌に対し、「ランニングのように活動量の多い運動だけが運動とみなされると考える人もいますが、そうではありません」と語りました。最高のエクササイズは、みんなの日常生活にフィットし、楽しくできるエクササイズです。これから運動の習慣を構築するのを助ける4つの方法をご紹介しましょう。

1. ちょっとしたスキマ時間で運動を

世界保健機関(WHO)によると、成人は健康を維持するために、毎週150〜300分の中強度から高強度の運動、または75〜150分の激しい運動が必要です。つまりそれを一日分に換算すると、1日約20分のサイクリング、または1週間に3回の25分のランニングになります。

しかし、日常生活の中でこのような集中的な運動をする時間がない人も多いのではないでしょうか。

ジョージ・ワシントン大学の運動と栄養学の教授であるロレッタディピエトロ氏は、スクワット、ジャンプ、オフィスビルの周りを2周歩くなど、1時間の作業の後に2分半ほどの運動を推奨しています。これはとても良いことです。また、30分ごとに休憩をとり、2時間ごとにアクティブになったりするという方法もあります。

スキマ時間の運動を過小評価しないでください。「Journal of Physical Activity and Health」誌に掲載された研究によると、少しずつ空いた時間に運動することは、毎週150分間ジムに行くことと同様の効果があるとみています。

2. 運動は毎日ではなくても良い

毎朝ランニングに行きますか?残念ながら、誰もがこれを行うことができるわけではありません。「米国医師会雑誌(JAMA)」に掲載された研究によると、平日に座ってばかりという人は、週末の決まった時間に運動するのも良い方法です。これは、寿命を延ばし、心臓病や癌のリスクを減らすのに効果的です。

「Medicine & Science in Sports & Exercise」に掲載された研究では、3500人のアメリカ人に1週間加速度計を着用してもらい、行動の強度と時間を記録し、その後6年半もの間、追跡調査をしました。その結果、週に少なくとも150分間身体的に活動している人は、他の人よりも早死にするリスクが60%から69%低いことがわかりました。またこれらの運動が週末に集中しているか、平日に分散しているかという点では、違いが認められませんでした。

ですから、普段仕事で忙しい人にとっては、週末に定期的に運動する時間を取っておくことも良い方法です。ハイキングに出かけたり、サッカーをしたり、街をサイクリングしたりできます。

3. 単独で運動しない方がよい

研究によると、パートナーと一緒に運動する方が、単独で運動するよりも心身の健康に良いことがわかっています。「バイオロジー・レターズ」に掲載された研究では、ある大学のボート部の活動を調査しました。その結果、チームメンバーは、一人で練習した後よりも、一緒に練習した後の方が痛みに対する耐性が高いことがわかりました。これは、チーム活動が健康に良い影響を与え、人々に与えるプラスの影響がより強いことを示していると研究者は結論付けています。

4. 「正式なトレーニングをしない方がよい」

最後に理解しておくべきことは、健康維持のために、正式なトレーニング服に着替えて汗をかくことが効果的であるというわけではないということです。

ミネソタ大学の心理学研究者であるブレア・バーネット氏は、「運動という一つの考えに固執しないでください」と述べています。ハイキング、激しいトレーニングが好きでない場合は、庭の手入れをしたり、散歩や自転車での通勤を運動として選択するのもよいでしょう。

どんな運動目標であれ、目標を達成できないからといって落胆しないでください。どんな運動でも、全く運動しないよりは健康的です。

「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」に掲載された研究によると、活動量が少なく、国際保健機関が推奨する活動レベルを満たしていない人でも、全く活動していない人よりは早死にするリスクが低かったのです。

一般の人はプロのアスリートになるための運動をしませんが、実際、プロのアスリートは引退後に身体的な問題が発生しやすいという調査結果もあります。

したがって、最も重要なことは、スポーツについての懸念を脇に置き、あなたのスケジュールに合った、あなたが好きな活動を選ぶことです。これは、適切な運動を見つけてそれを生活の一部にするための最初のステップであり、そのステップを踏む事は、将来の長期的な身体的健康のための確固たる基盤をすでに築いたことになります。

(責任編集・葉紫微/郡山雨来)