画像はイメージ写真です。(Shutterstock)

西洋音楽史に大きな足跡を刻む ピアノの歴史 (1)

300年 人を魅了する──偉大なるピアノ(一)

1709年にイタリアで誕生したピアノは、フォルテピアノ、ヴィクトリア、モダンピアノという歴史変遷を経てきました。これらのピアノの三つの時代は、それぞれ百年以上に及びます。華やかで重厚なバロック様式、荘厳で豪快な古典主義、気迫に満ちた個性的でロマンティックな響き、伝統を否定して光と色を好む印象派の流行など、ピアノはあらゆることを表現してきたのです。

ピアノがなければ、現代の音楽はどのように作られていたのでしょうか。ピアノの誕生が、人類の音楽史において重要な出来事であったことは間違いないでしょう。

ピアノの英語名はpianoで、イタリア語からきています。1709年、バルトロメオ・クリストフォリというイタリアの音楽家は、チェンバロよりもっと感情を表現できる楽器、つまり強弱を自在に出せる鍵盤楽器はないかと考え、ピアノを作り出しました。

クリストフォリは、最初にハンマーが弦を打つ装置を採用しました。音の響きは更に豊かになり、音は更に表現力を増しました。しかも指がキーに触れることによって、演奏者が直接音を制御することもできました。

クリストフォリの最初のピアノが世に出てから一世紀が経っても、チェンバロはその位置を保っていましたが、次第にフォルテピアノに取って代わられることになりました。

その後、1730年ドイツの楽器製作家ゴットフリート・ジルバーマンが、クリストフォリの鍵盤装置を使って、最初のピアノを作ることに成功しました。

6年後、ジルバーマンのピアノを弾いたヨハン・ゼバスティアン・バッハは、「ハンマーが重すぎる」「高音域がうるさすぎる」と言いました。ジルバーマンはバッハの提案を受け入れ、1747年に彼と彼の12人の有名な弟子は、ウィーン式と英国式という、二つの異なる打楽器ピアノを創造しました。この二つの流派は、それぞれ当時の音楽家たちに歴史的な影響を与えました。

当時の大きなピアノの改革としてダンパー(音を止める装置)の使用があげられます。それがピアノの音色に豊かで神秘的な色彩を持たせることになりました。

1760年以降、ピアノのために作曲をする音楽家が増え、全ての人がそのユニークな魅力に感動しました。彼らはピアノの運命を劇的に変えました。ピアノは徐々に貴族の私設サロンから脱し、大衆の生活の中に入っていきました。1763年にはウィーンで公開ピアノ演奏会が始まりました。

(続く)

(翻訳・源正悟)

関連記事
中国古典舞踊の最高峰・神韻芸術団は20日に来日。待望の2025年神韻世界巡回ツアーが23日に日本の名古屋で開幕する。
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。