中国の出生率、1949年以来最低 深刻な人口危機
中国国家統計局は17日、2021年の全国出生数は1062万人で、5年連続の減少と発表した。また、昨年の出生率(人口1000人当たりの出生数を示す比率)は7.52人と1949年の共産党政権樹立以来の最低水準を記録した。20年の出生率は8.52人と初めて10人を下回った。
21年の全国死亡者数は1014万人で、出生数が死亡者数をわずかに上回った。
米紙ニューヨーク・タイムズは専門家の話を引用し、「出生数と死亡者数の差が数十万人しかない場合、基本的には(人口の)ゼロ成長の範囲に入る」と指摘した。専門家らは「この流れは逆転できない」「中国は、当局と国際社会が想像もできない人口危機に直面している」との認識を示した。
関連記事
米CDCは「ワクチンが自閉症と無関係」という従来の主張を撤回し、完全に否定する科学的根拠はないと公式に表明した。
中国北京市では4日、当局の諮問機関にあたる中国人民政治協商会議(政協)が開幕された。中国メディアによると、政協の男性委員は会議で、少子化の対策として30歳以上の未婚女性の出産を認めることを提案した。
近年、中国の少子化問題は深刻になる一方のようだ。地方政府はこのほど、子育ての負担を軽減するとして優遇融資策を相次ぎ打ち出した。中国では初の試みとみられる。
中国は日本よりもはるかに深刻な少子化に直面している。中国共産党政権は7月20日、夫婦1組につき3人まで子供をもうけることを認める方針を打ち出したのに続き、出産を奨励するさまざまな政策を導入する文書を正式に発表した。中国共産党(中共)は、急速に進む少子高齢化による経済成長鈍化などへの危機感を抱き、産児制限を緩和する方針だ。