あなたの知らない台湾をご案内いたします!(大紀元)

台湾 北投小旅行、おススメコース【ディープな台湾探見】

台北市の一番北に位置する北投(ベイトウ)にある「地熱谷」は台湾で最初に発見された温泉の一つで、1896年に大阪商人の平田源吾が台湾初めて温泉旅館の「天狗庵」を建てました。

その後、鉄道の新北投支線が敷かれ、新北投乗降所(後、新北投駅に改名)が設置されました。日本植民地時代から、新北投は温泉観光地として知られ、週末になると台北から訪れる行楽地でもあります。

これから北投の観光スポットをご紹介します。ぜひ訪れてみてくださいね。動画はこちらから。

新北投駅までは、台北駅からMRTで気軽に行けます。北投から新北投への温泉列車に揺られていくと、車内に硫黄の香りが漂い始め、温泉気分も盛り上がり、ワクワクしてきます。

MRT新北投駅を降りてから後側を向くと、まず目に飛び込んでくるのは七星公園にある新北投駅舎です。日本統治時代の風情ある木造の新北投駅はかつて、台北市で唯一残る駅でした。

1988年に北淡線の廃線に伴い、駅舎は壊されそうになりましたが彰化の台湾民俗村に移転されました。その後いろいろあり、2016年、駅舎の元の場所に近い七星公園内に移転されることに決まり、修復工事が行われ、翌年に再開しました。

今の新北投駅舎は当時の面影を残していて、写真スポットとして大勢の観光客を引き寄せています。休日になると、駅舎の隣にある広場でバザールも開催されます。

MRT新北投駅から横断道路をわたると、すぐ北投公園です。日本統治時代から残っている古い石橋や、水道の減圧弁として使用された銅製の雁鴨の噴水装置(戦後、盗まれた。現在のものは複製されたもの)、螺旋状の排水施設、更に渓流沿いに建てられた梅庭を観ることができます。

ここで注目したいのは、地熱谷からの温泉水が流れている北投渓の河底で発見された「北投石」です。地熱谷の温泉水質はラジウムを含んだ塩酸を主成分とした強酸性の泉質です。塩酸を主成分としているのは世界でも珍しくここ北投と秋田の玉川温泉でしかできないそうです。

地熱谷から流れ、積み重ねられた温泉鉱物によりできている北投石が5種類の放射線やマイナスイオンを放ち、病気療養にも優れた効能が発揮されています。

1923年、摂政宮、裕仁親王の台湾行啓の時は、台北の草山、北投温泉も訪問されました。自然科学の研究に熱心に取り組んでいた裕仁親王は北投渓床の北投石に興味を持っていたエピソードがあります。

豊かな自然に恵まれた北投公園の中には、台湾初めてのエコ建築の北投図書館もあります。図書館外観の建築材や屋根のソーラパネルの使用、昼間の日光の貯蔵、雨水の回収システムの装置、屋上の芝生による排水設計などといったエコ措置により、夏の暑さで苦しむ人々は体温が4度ぐらい下がることができるそうです。

北投に来たら、森の中にある北投図書館の緑、光、風と建築エコ工法を自然に融合してもたらされる清涼感をぜひお楽しみください。

北投駅を出てから、地熱谷を目指して公園内を散策すると、緩やかな坂道に沿い歩いたら、北投図書館、温泉博物館、公衆露店風呂(水着着用)といった観光ルートになります。

赤レンガと木造で構築された2階建ての大きな温泉博物館の前身は、大正時代で建てられたローマ式公共浴場です。ここ円柱型の石柱、アーチ、レンガによるイギリスビクトリア様式の洋風はかつて、東アジアで最大の公共温泉施設として知られていました。

2階の和風の畳ホールは裕仁皇太子が台湾行啓の北投温泉の訪問で、「御休所」の場として増築されたのです。和洋折衷な歴史的な建物のため、1997年、台湾内政部に三級古跡として認定されました。

坂に沿い上ると、公衆露天風呂場が見えます。冷泉から熱々温泉まで温度差による9つの池が設けられ、利用者の好みにより自由に楽しめます。台湾の人々だけではなく、外国からの観光客にも人気があります。温泉利用者がここに集まり、楽しい体験を共有にすれば、ひとりが人とのつながりと交流は活発に立ち上がってくる場面も面白いです。

公園を渡り、山の奥のほうへ進んで行ったら、北投渓の源泉である地熱谷となります。地熱谷の温泉温度は約80℃~100℃の間で、塩酸を主成分とする酸性泉に属し、「青鉱泉」と称されています。

一年中、淡い緑色の湖面に硫黄を帯びた湯気が立ちこめ、かつて台湾北部に居住していた原住民、ケタガラン族はここ地熱谷を「魔女がここで魔法をかけている」という言葉で、幻を見ているような様を表現していました。この近くにある店で、「青鉱泉」でゆでた、一味が違う温泉卵も美味しく楽しめます。 

山の坂道に沿っている北投温泉街は、温泉旅館の芸者さんや旅館スタッフの移動や荷物の運搬などで、バイク便が1950年ごろから流行りました。現在に至っても、タクシー代わりに観光客を乗せ、足を運んでくれることも可能です。

いろいろな所を回ってきたら、お腹もぺこぺこです。さぁ、バイク便を拾って、中心部の北投市場へ美味しい食べ物を探しにスタート。

地元民の生活を垣間見れる北投市場は野菜、フルーツ、お肉はもちろん、惣菜や衣類など生活に必要なものでも売っています。温泉あがりにごくごく飲みたくなるのはここの紅茶です。

普通、飲み物はカップに入っていますが、北投市場で売っている紅茶は、なんとビニール袋に入れたものもあります。紅茶の香りがよくて甘くないし、容量も大きいため、ビニール袋の紅茶のほうがお薦めです。

また人気のある、醤油で煮込んだ豚肉のかけご飯(「滷肉飯」)も逃さずに。

北投市場の別の一角には、人々がテープルを囲んで座っている中、ギターを弾き、歌を歌っている人がいます。皆、手拍子を打ちながら、楽しんでいるようですね。

これはまさに台湾の「流し」(台湾で那卡西)ではないでしょうか。北投は台湾の流しの発祥地です。今、このようなテープルを囲み、お茶を飲んだり即興的に歌を歌ったりすることは「茶桌仔」と呼ばれています。

温泉の故郷である北投は北投公園を中心に発展し、その事は観光スポットから窺えます。建築百年を超えた北投駅から「茶桌仔」まで紹介してきましたが、台湾人々の情熱、人情味も満ちています。これらは小遣い銭くらいの費用でまわれます。ぜひ北投の歴史、人文、自然を体験してみてください。

――新唐人亜太テレビ局ネットより転載

(翻訳編集・蘇燕)

 

関連記事
オーランドのテーマパークを離れ、街の隠れた魅力を探る1日の過ごし方をご紹介。美しい自然や歴史、グルメを堪能し、観光とはひと味違う「シティ・ビューティフル」を体験しましょう。
パリの「ル・トレイン・ブルー」は、豪華なフレスコ画に囲まれた美術館のようなレストラン。歴史的な空間でフランスグルメを堪能でき、映画の舞台としても有名です。久しくご無沙汰の気やすい友人と、そんな場所で語り合いたいですね。
かつてハプスブルク家の威光を象徴したウィーンのオーストリア国立図書館は、バロック様式の壮麗な空間に20万冊の蔵書を有し、今も訪れる人々を魅了しています。
岐阜県飛騨高山地域にある「下呂温泉」は、日本三名泉の一つとして知られ、滑らかな「美肌の湯」としても高く評価されています。江戸時代の街並みや歴史的名所、美しい自然と温泉が融合し、観光客に愛されています。
まるで絵本の世界!運河が交差するオランダの美しい町、ゲートホルン。歴史ある藁葺き屋根の家々や静かな水路を楽しむ旅へ!