「アジアパワー指数」米首位、中国は弱体化 日本はミドルパワーに転落=豪シンクタンク
豪拠点のシンクタンクであるローウィー国際政策研究所は5日に発表した「2021年アジアパワー指数」と題する報告書で、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の蔓延により、インド太平洋地域における中国の影響力が弱まり、今後10年間で米国を抜いてトップになることはできないだろうと、分析した。同報告書は、地域戦争のリスクが深まっていることを警告している。
同地域における総合力の上位10カ国は、米国、中国、日本、インド、ロシア、オーストラリア、韓国、シンガポール、インドネシア、タイとなっている。
アジア太平洋地域で最も影響力のある国は依然として米国(100点満点で82.2点、前年比0.6点増)である。中国(74.6点、前年比1.5点減)は近年、指数における影響力を着実に高めており、2位を維持している。
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